2018.02.17 作業療法学科 水島 眞由美先生
プロフィール
作業療法学科 学科長
作業療法概論
義肢装具学
福岡県出身。OT歴は今年で27年目。医療福祉系の仕事を目指した高校時代は、友人の多くが大学に進む中で、「人とは違う道を歩みたかった」と、当時は今以上に少なかった国立のOT養成校に進学しました。もともと大の手芸好き。患者様へ提供する作業の中にも多く取り入れているそうです。現在は横浜リハビリテーション専門学校の専任教員として「大好きな作業療法をより多くの人に知ってほしい」という想いを胸に学生を指導しています。
教育で心掛けていることは何ですか?
医療の技術や治療法は、非常に早いスピードで変化しています。また、患者様の生活スタイルも時代とともに変化していくものです。私たち教員が研究日にリハビリの現場に出ることで、それをリアルタイムで知ることができるのです。そして何より、研究日は患者様にいただいたメッセージや教員自身の体験を、学生たちに伝えていくための大切な機会。社会に出た学生たちが患者様の人生に寄り添い、共に歩んで行けるよう、OTの先輩である私たちが少しでも役に立てたらと考えています。
この職業の魅力を教えてください。
「“障がい者”と呼ばれたくない」。私が研究日に担当させていただいた、ある患者様の言葉です。その患者様は、脳の血管の障がいにより左の手足が動かせず、また周囲への注意力が大幅に低下。家事などの日常生活が困難になっていました。それでも患者様は、「私はまだまだ元気。家族のために、もっと力になりたい」とよく話をされていたのです。私は患者様とご家族からのご要望をお聞きし、患者様がやりたいこと、そしてリハビリにつながる「作業」を考え、提供したいと思いました。たとえば編み物、作品をご家族にプレゼントしたり、バザーに出品したり。また患者様がお好きな料理をサポートしたいと考え、患者様の生活環境を整えていきました。その結果、患者様は料理や手芸を楽しむことができるようになり、性格も以前より明るくなれたそうです。
この患者様の考え方には、私も大きな影響を受けています。人は、自身がどんな状況にあったとしても、「人のために役立ちたい」と強く願うものなのではないか、と思うようになりました。