2022年10月14日

投稿者：拓斗

2022-10-14 12:23:25

厚生労働省からの回答として、別表第九の九第二号（治療上有効と医学的に判断される場合） のFIMの測定は必須ではない。

令和4年の診療報酬改定では標準算定日数超えてリハビリテーションを行う場合に、月に１回以上機能的自立度評価法（FIM）を測定していることを要件化されましたが、そのFIMの測定を必要とする患者において、いわゆる難病や進行性疾患となる別表第九の九第二号（治療上有効と医学的に判断される場合） のFIMの測定は必須ではないと厚生労働省からの回答があったと、関東信越厚生局 東京事務所から説明を受けました。

経過措置で先延ばしとなっていたFIMの測定の要件化については10月より義務化されました。厚生労働省の通知する「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」については、難病や進行性疾患となる別表第九の九第二号（治療上有効と医学的に判断される場合） のFIMの測定が必要であるとは書いていないため、FIMの測定は必須ではないのかと、関東信越厚生局 東京事務所に問い合わせしたところ、関東信越厚生局 東京事務所より、厚生労働省に問い合わせをし、その結果として、別表第九の九第二号（治療上有効と医学的に判断される場合） のFIMの測定は必須ではないと回答があったことを説明されました。


厚生労働省が説明する「令和4年度診療報酬改定の概要」の説明資料には、難病や進行性疾患となる別表第九の九第二号（治療上有効と医学的に判断される場合） のFIMの測定が必要であるかのような絵面になっているのですが、厚生労働省が示したこの表は、適切な表現では無かったように思います。

しかし、FIMの結果を報告する疾患別リハビリの報告書作成（様式42の２）には、「入院中の患者以外の患者について、各年6月1日から7日までの1週間の間に疾
患別リハビリテーション料を算定した患者のうち「治療を継続することにより状態 の改善が期待できると医学的に判断される、又は、治療上有効であると医学的に判 断される等の理由で、月 13 単位の算定上限の対象外となっている患者」に該当し ている患者のデータ(入院中の患者以外の患者)を記載すること」と記載するとなっているので、この報告書によると別表第九の九第二号（治療上有効と医学的に判断される場合） のFIMの測定結果を書かなければいけないのではと思います。


すでに入院患者の場合はFIMの測定が求められているので、外来患者の場合でも全ての患者にFIMの測定をすることであれば、誰からも文句は言われないと思いますが、通院頻度が少ない患者に対して、毎度、時間を割いてFIMの評価を行うことが必ずしも必要でなことでは無いことはあり、FIMの測定が要件化されているのか、そうでないのかははっきりして欲しいところです。

厚生労働省は、説明会で使う資料の訂正を行うなり、この混乱のある解釈についての周知を徹底するなりの対策をしてほしいところです。
いづれにせよ、厚生労働省が明確に、関東甲信越に対して別表第九の九第二号（治療上有効と医学的に判断される場合） のFIMの測定は必須ではないと回答があったことは事実です。

いくら現場がコンプライアンスを遵守しようと思っていても、説明が一貫していない、根拠のない運用を疑義解釈で解釈を迂回させるような粗末な厚生労働省の対応は、毎度ながらお粗末だと感じております。平成18年から始まった複雑怪奇な疾患別リハビリテーションに問題があると思います。トリプル改定に向けて、今ある疾患別リハビリテーションをガラガラポンで、大きく整理する必要が有るのではと思います。

画像は厚生労働省の説明資料となります。
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000960258.pdf 頁257