理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が集うリハビリ情報サイト
2016.01.21
平成28年1月9日に東京都大田区で、PT−OT−ST.NET主催「未来思考シンポジウム〜平成28年度診療報酬改定をよむ〜」が開催されました。会場となったプラザ・アペアには理学療法士、作業療法士、医療・介護経営者、教員、学生、医療コンサルタントと様々な約80人近くの参加者が集い、これからの診療報酬改定について学びました。
開会に際してPT−OT−ST.NET代表の友清直樹から「中医協の資料をFacebookに掲載したところ、144シェアされた。そこで、ただ危機感を煽るだけでなく、改定資料から読み解く力を理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が身につけ、これからのリハビリテーションを考える機会になればと、この未来思考シンポジウムを企画した。」と挨拶がありました。
➖➖シンポジウムよりひと言
急性期:手塚純一さん
「急性期の入院医療では、機能分化の推進、重症者には診療密度の高い医療を提供するメリハリをつけた医療が求められている。在院日数の短縮、在宅復帰を促進するといった医療費を削減につながるエビデンスは診療報酬改定の議論に使用されており、そのような研究を積み重ねることがリハビリテーションの重要性を示す方法になる。また、チーム医療が推進されている背景の中で『医学的リハビリテーションの進め方(P45)』が資料に含まれることを現場のセラピストは十分理解する必要がある。」
回復期:伊藤克浩さん
「今回の資料では、ADLが改善していない施設は1日6単位しか認めず、それ以外は包括化することが示唆されており『結果』が求められている。今後、どのように『結果』を評価するかが議論になるだろう。注意すべきは、診療報酬改定の資料はn数が極端に少ないデータもあるためグラフの傾きだけで読んではいけない。」
生活期:友清直樹
「在宅分野では、本来のリハビリテーションが提供できるような環境整備はまだ不十分である。今後は、認定・専門理学療法士など研修をしているセラピストを配置することに加算をつけるなど、提供するリハビリテーションの質を高める必要がある。また、施設基準の専従などの要項により育児ママが働きづらい環境にあることに歯がゆく感じている。」
コンサルティング:八木保さん
「現在、多くの病院は増収減益にあり、中小病院の数は減少傾向にある。今まで、厚労省はリハビリに関して建物や人など環境に対しお金をつけていたが、今後は『効果』に関して価値がつけられるようになる。『医療費の削減』=価値という国の方針を考慮した上で、研究活動などでアウトカムを示せるかが鍵となる。」
※画像をクリックすると拡大されます
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【PT−OT−ST.NET新年会】
その後のPT−OT−ST.NET新年会には約40名の方々ご参加いただき、交流を通じて新しいつながりを結ぶことができました。ご参加いただきました皆様に深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
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