リハビリテーション専門職団体協議会(構成団体:日本理学療法士協会・日本作業療法士協会・日本言語聴覚士協会)は、令和6年度の報酬改定を受けて実施した 「リハビリテーション専門職の処遇改善に関する実態調査」の結果を発表した。
調査の結果、リハビリテーション専門職の現金給与総額の引き上げについて、医療施設では約3割、介護・福祉施設では約4割の施設で行われていない実態が明らかとなった。
また、これらの施設での引き上げの理由として最も多かったのは「定期昇給」であり、ベースアップの実施率は極めて低いことが示された。
ベースアップの実施率については、医療施設と比較して、介護施設・事業所や障害福祉施設・事業所における実施率の低さが示された。
小規模施設は「処遇改善の実施率」が低い傾向
同調査では、施設の規模や開設主体等によって処遇改善の対応に格差があることも明らかとなった。
医療施設は、病院と比較して、小規模な診療所では給与引き上げの実施率が低い結果となった。特に病床数や職員数の少ない施設ほど実施率が低く、小規模施設ほど給与引き上げの実施率は低い傾向が認められた。
介護施設・事業所は、総職員数に対しリハビリテーション専門職の在籍割合が5%未満の施設では、給与引き上げの実施率が45.3%と最も低値であった。
障害福祉施設・事業所は、開設主体を「営利法人・個人」とする施設において給与引き上げの実施率が43.5%と最も低値である結果が示された。
日本理学療法士協会は今回の調査結果について「今後はさらなる医療・介護・福祉分野における賃金の底上げ・継続的な昇給に向けた、抜本的な対策が必要であることが示唆された」としている。
調査の概要
⚫ 調査方法:
WEB アンケート調査
⚫ 調査対象:
3団体に施設登録のある全国の医療施設、介護施設・事業所、障害福祉施設・事業所のリハビリテーション部門代表者
⚫ 回答期間:
2024年9月3日〜2024年9月17日
⚫ 主な調査項目:
➢ リハビリテーション専門職の現金給与総額の引き上げの有無
➢ 引き上げの理由(定期昇給、ベースアップ、各種手当の引き上げ・新設、賞与等の引き上げ・新設、その他)等
(回答の対象期間:令和6年6月給与を基準とし、令和6年3月給与と比較。)
⚫ 回答数:
1,750 施設
(医療施設1,157件、介護施設・事業所478件、障害福祉施設・事業所115 件)
引用・参考
◾️リハビリテーション専門職の処遇改善調査結果を発表 〜令和6年度報酬改定後の処遇改善の格差が明確に〜(日本理学療法士協会HP)
https://www.japanpt.or.jp/info/asset/pdf/Rress_Release_2024syoguukaizencyousa_c.pdf