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2024.11.19

中小企業の産業保健・健康経営の現状 ー セラピストの可能性を探る ー



【はじめに】

我が国では、労働人口の減少や高年齢労働者の増加といった社会課題があり、労働災害の増加や労働生産性の低下などが危惧されています。日本の企業数のうち、99.7%が中小企業1)と言われており、その大半を占めています。

中小企業の現状を理解したうえで、セラピスト(PT・OT)として社会課題の解決に向け、取り組んでいく必要があります。今回は中小企業の産業保健と健康経営の現状から、セラピストの可能性を探っていきましょう。


【小規模企業では産業医の選任義務がない!?】

小規模企業とは製造業、建設業、運輸業その他の業種で従業者規模20人以下、卸売業、小売業、サービス業で従業者規模5人以下(宿泊業・娯楽業は、従業者規模20人以下)とされています。

労働安全衛生法において、事業場の従業員が50人以上の場合は、産業医や衛生管理者といった、産業保健職の選任義務が記されています。一方で従業員が50人未満の事業場では努力義務となっており、小規模企業には健康診断の事後措置やメンタルヘルス対策などの産業保健活動が行き届いていない可能性があります。


【中小企業の健康経営の現在】

健康経営とは、企業が従業員の健康を経営的な視点で考え、戦略的に実践する取り組みです。経済産業省が推進する健康経営優良法人認定制度に認定される中小企業は年々増加傾向にあり、注目度が高まってきています。

理由としては、『会社のイメージアップ』や『人材採用での効果を期待』が多い結果となっています2)。労働人口が減少し、かつ高年齢労働者が増加している今、中小企業にとって人材確保は重要なテーマだと考えられます。




【セラピスト(PT・OT)の可能性】

多くの中小企業によって、人材確保が課題の今、高年齢労働者の健康増進や仕事のパフォーマンスの低下を防ぐことは重要なテーマとなります。労働災害の発生状況において、女性では加齢に伴い、腰痛の原因となる動作の反動・無理な動作が増加し、転倒は男女ともに増加しています3)

第14次労働災害防止計画の重点対策において、労働者(中高年齢の女性を中心に)の作業行動に起因する労働災害防止対策の推進が掲げられ、『理学療法士等を活用』と明記されました。リハビリテーション領域において、腰痛などの筋骨格系障害や転倒に関する知識と経験を積んだセラピストの活躍が求められています。




【セラピストが産業保健・健康経営分野で活躍する為に必要なこと】

ここまで中小企業の産業保健や健康経営の現状やセラピストの可能性について述べてきましたが、リハビリテーション領域で経験を積んだセラピストが、この分野で活躍していく可能性は大きいと感じます。

一方で、多職種で連携するにあたり、産業保健・健康経営分野の知識を習得しているセラピストが十分とは言えないのが現状です。

理学療法士を対象とした調査4)では、産業保健や健康経営に関する体系的な学習経験を有する割合は11%という結果でした。セラピストが多職種と連携して行く為には、産業保健・健康経営分野の知識を習得していなければなりません。




【日本最高峰の講師陣による無料セミナー開催中】

この度、バックテックeセミナーとして、産業保健・健康経営などの予防・保険外領域に興味があるセラピスト(PT・OT)が知っておきたい『産業保健・健康経営の科学』について、最新エビデンスや実例をもとに、日本最高峰の先生方から学ぶセミナーを全7回、なんと無料で開催中です。

第3回は、11月26日(火)20:00~21:00に開催され、『中小企業の産業保健・健康経営の現状と課題』というテーマで、永田智久先生(産業医科大学 産業生態科学研究所 産業保健経営学 准教授)にご講演いただきます。

中小企業の健康施策への取り組み状況や健康経営の効果など、セラピストが産業保健・健康経営分野で活躍する為に重要な情報満載です。

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✅予防領域に興味がある

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✅専門性を生かした副業に興味がある

✅年齢を重ねていくと臨床現場での体力面が不安



※今回お申込みいただくと、開催済みのセミナーもご視聴いただけます。



【参考文献】
(1)厚生労働省 中小企業庁 中小企業・小規模事業者の数(2021年6月時点)の集計結果
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/chu_kigyocnt/2023/231213chukigyocnt.html

(2)労働者の健康施策の経営上の目的、効果および公表に関するアンケート調査 永田智久 産業医科大学産業生態科学研究所 産業保健経営学 准教授
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202023006A-buntan2_0.pdf

(3)厚生労働省 第1回産業保健のあり方に関する検討会 産業保健の現状と課題に関する参考資料
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001001488.pdf

(4)日本理学療法士協会 産業保健・健康経営における課題と理学療法士活躍の可能性に関する調査事業報告書 2024.3.31
https://www.japanpt.or.jp/activity/asset/pdf/20240331_chousajigyou_houkokusho.pdf

この記事を書いた人

株式会社バックテック

肩こり・腰痛対策支援サービス ”ポケットセラピスト” を運営。
「全人類が健康に活き活きと暮らし、社会に貢献できる世界をつくる」をミッションに、慢性痛に悩む労働者を医療職がオンライン上でマンツーマンサポートしていくサービスを提供しています。ポケットセラピストにご興味がある方は、是非お気軽にお問い合わせください。

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