厚生労働省は10月31日、「介護サービス事業者経営情報の報告等に関するQ&A(Vol.2)」を発出した。
介護事業者の経営情報報告の義務化については、詳細なルールなどを明らかにする
Q&A(Vol.1)が8月20日に公開された。第2弾となる今回のQ&Aでは、報告対象の範囲、報告単位の取り扱い、収益・費用の報告について解釈が示された。
【報告の対象】
問1 「廃止」となった事業所の経営情報についても報告が必要か。
(答) ○当該事業所の廃止を行った事業者からの報告が必要です。例えば、会計年度が4~3月の事業所における令和5年度(令和5年4月から令和6年3月までの期間)の報告について、令和5年4月1日から令和6年3月31日までの間に介護サービス事業所を廃止した場合であっても、サービスの対価が当該会計年度に100万円を超えたのであれば、報告対象となります。なお、事業者自体が廃業、閉鎖及び解散等をしている場合においては、この限りでありません。
【報告を行う単位】
問2 介護サービス事業所において、介護サービスと介護予防・日常生活支援総合事業(以下「総合事業」という。)の両方を提供しているが、まとめて報告をしてよいか。
(答) ○総合事業については、報告の対象となる介護サービスとはしていないところですが、総合事業に係る収益や費用について、他の介護サービスと会計上区分されていない場合には、総合事業に係る部分について、除外せずに報告しても差し支えありません。ただし、この場合、総合事業サービスのデータが含まれていることについて、別途システム上で入力していただく必要があります。
問3 介護サービス以外に医療・障害福祉サービスも提供しているが、当事業所で介護サービスとそれ以外の医療・障害福祉サービス等を按分した金額等を報告することでよいか。
(答) ○介護サービスとそれ以外の障害福祉サービス等を按分することが可能であれば、按分したデータを報告・登録ください。
〇按分が難しい場合は、8月2日通知第2(4)でお示ししているとおり、介護サービスとそれ以外の障害福祉サービス等を含んだデータを報告していだくことは差し支えありません。なお、その際は介護サービス以外の内容が含まれていることを、別途システム上で入力していただく必要があります。
問4 事業所Aと事業所Bが同一拠点に属している場合において、どのように報告すればよいか。
(答) ○8月2日通知第2(2)でお示ししているとおり、原則として介護サービス事業所・施設単位で行うものですが、事業所・施設ごとの会計区分を行っておらず、拠点単位でのみ会計処理を行っている場合などのやむを得ない場合については、拠点単位で報告することとして差し支えありません。
【報告期限】
問5 8月2日通知において、令和6年3月31日から令和6年12月31日にまでに会計年度が終了する場合のみ、令和7年3月31日までに報告(令和6年度内に実施されるべき報告)が必要であると示されているが、事業年度が2月から1月までの事業所や、3月から2月までの事業所においては、どのように考えればよいか。
(答) ○当該事業所においては、令和6年度内に実施されるべき報告は不要です。ただし、会計年度終了後3ヶ月以内の報告は必要となることから、令和7年4月以降に報告が必要となります。(例えば、2月から1月までが事業年度の事業所においては、令和6年2月から令和7年1月までの内容について、令和7年4月末までに報告することが必要となります。)
【収益・費用の報告】
問6 特定の収益又は費用の内容について、介護サービスと介護サービス(医療・障害福祉サービスを除く。)以外に収益及び費用を分けられない場合、どのように報告すればよいか。
(答) ○報告に当たっては、介護サービスに係る事項のみを対象とすることを基本とすることとしています。
○各収益及び費用の内容については、8月2日通知別紙2の7の考え方を踏まえて、事業所において適切な方法で報告していただくことが必要です。
○なお、会計処理上、介護サービス(医療・障害福祉サービスを除く。)以外の部分と切分けを行うことがどうしても困難な事情がある場合には、個別に都道府県とご相談ください。
問7 いわゆる「内部取引」にあたる金額が含まれる場合、「消去前」「消去後」のどちらの金額を計算するべきか。
(答) ○内部取引消去については、財務諸表の作成に関する各会計基準上の定めに従って実施するようお願いします。
○例えば、複数の事業所をひとまとめにした拠点区分の損益計算書等データを社会福祉法人会計基準の科目により報告する場合には、拠点区分を超えた内部取引額は計上しつつ、拠点区分内での内部取引については、消去をお願いします。