厚生労働省は、第6回「上手な医療のかかり方アワード」を開催し、全国から取組み事例を募集している。
本プロジェクトでは「上手な医療のかかり方」の啓発や、医師をはじめとする医療従事者の負担軽減、若年層に対する医療受診の教育などに関する優れた取組を厚生労働省が表彰しており、第6回「上手な医療のかかり方アワード」は、2024年10月1日〜12月16日の期間中に取組みの募集を行っている。
近年、医療の危機と現場の状況は深刻なものとなっており、「いのちをまもること」と同時に「医療をまもること」についても喫緊の課題となっている。そのような背景から、厚生労働省は、「上手な医療のかかり方プロジェクト」を推進している。
取り組み募集 アクションについて
「上手な医療のかかり方アワード」では、下記のアクションに関わるものが募集されており、患者や家族に対してのホスピタリティを持って寄り添う事例などの応募が期待されている。
<アクション例>
・患者・家族の不安を解消する取組を最優先で実施している
・医療の現場が危機である現状を国民に広く共有している
・緊急時の相談電話やサイトを導入・周知・活用している
・信頼できる医療情報を見やすくまとめて提供している
・チーム医療を徹底し、患者・家族の相談体制を確立している
表彰については、下記が予定されている。
●厚生労働大臣賞 最優秀賞(1件)
●厚生労働省医政局長賞(以下の取組に対して各々1件、合わせて2件以内)
・1件:上手な医療のかかり方における総合的な制度設計が優秀な取組
・1件:上手な医療のかかり方における優良コンテンツ・ナッジにつながる取組
過去の受賞例も紹介
本サイトでは、過去の受賞例について紹介している。2023年に開催された「第5回上手な医療の関わり方アワード」については事例紹介が冊子でまとめられている。2023年は、全国29団体からの応募があり、厚生労働大臣賞 最優秀賞に1団体、厚生労働省 医政局長賞に2団体がそれぞれ選出された。
第5回の最優秀賞は、新潟県村上地域振興局健康福祉部の「村上地域健康なまちづくり事業~地域住民等による組織づくりとまちづくりの実践」という取組であった。
この取り組みは、地域医療を「ひとづくり」「組織づくり」「まちづくり」の3本の柱に基づいて進められている。具体的には、地域住民が医療に対して主体的に関わることを促進し、住民が活動する場を整備し、健康な地域社会を目指すことが目的としている。
全国的に実績を持つNPO法人まちづくり学校の協力を得て、住民参加型のワークショップを継続的に開催。その結果、住民発起の「むらかみ地域医療サポートセンターはぐ」が発足し、現在は病院との交流や医療普及啓発、次世代の医療人材育成などに取り組んでいることが紹介された。
本サイトでは、受賞者のインタビューも掲載されており、受賞後の反響なども述べられている。なかには、SNSでの反響が多い一方で、新聞などのメディアにも取り上げて頂けたことで、幅広い年代にプロジェクトを広められたことも述べられている。
表彰の評価項目については、『いのちをまもり、医療をまもる』ための5つの方策」 に基づき、「特徴、理念」、「支援の取組」、「支援による効果等」の三側面から評価し、審査を経て表彰対象を選定するとしている。第6回の表彰事例は2024年3月に結果が発表される予定。
引用・参考
◾️ 厚生労働省|上手な医療のかかり方アワード
◾️ 上手な医療のかかり方アワード 第5回受賞プロジェクトのご紹介(厚生労働省HP)
◾️ 「上手な医療のかかり方」6部門受賞インタビュー