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2024.10.30

【書籍】脳卒中上肢機能検査マニュアルARAT発刊【記念セミナー開催】

脳卒中後片麻痺の評価法として世界で標準的に使用されている「ARAT」に焦点を当てた書籍「脳卒中上肢機能検査マニュアル ARAT」が発行された。

ARATとは、Action Research Arm Testの略称であり、脳卒中後片麻痺の上肢機能障害を19項目57点満点で簡便に評価可能な検査とされている。

ARATは、脳卒中後片麻痺の評価として活用されるSTEF※1やFMA※2と比較すると、より重度な脳卒中後片麻痺患者の変化を捉えることができる特徴がある。

本書籍は、このARATの他の評価との関連性から、実際の詳細な評価方法は写真を用いながら説明し、結果の臨床への応用まで順序立てて説明されており、読者が理解しやすいように寄り添った構成となっている。

実際のテスト実施方法については、書籍のなかで細かな注意点が写真で掲載。想定されうる疑問点まで記載されており、評価時に迷うことなく実施することができるよう紹介されている。

※画像クリックで拡大されます

さらに、第4章の「ARATから得られた結果を臨床へ」では、脳卒中後上肢麻痺の予後予測について具体的な考え方についても記載がされている。

実際に担当している患者のARATの得点と日数やFMAの点数などの各項目を入力することで、予後予測モデルを自動で生成するサイトの紹介もされている。この予測モデルを使用することで実際の患者の予後予測のイメージが湧きやすくなり、目標設定や治療の検討に役立てることができる。

また、ARATの点数による重症度に応じた目標動作や治療プログラムへの活用アイディアの記載もある。ここでは、具体的な生活動作や練習内容の計画に繋げることを重要視した提案がされている。

脳卒中後上肢麻痺の評価を体系的に学びたい若手からベテランセラピストまで、患者のADL・QOLの向上を本気で目指す方に薦められる一冊になっている。

※1:STEF:Simple Test for Evaluating Hand Function
※2:FMA:Fugl Meyer Assessment


刊行記念オンラインセミナー開催

今回、『脳卒中上肢機能検査マニュアル ARAT』の刊行を記念して、監修の安保雅博氏(東京慈恵会医科大学 リハビリテーション医学講座 主任教授)をはじめとした講師陣を迎え、オンラインセミナーが12月4日に開催される。

セミナーでは、ARATの実施方法や評価結果から導かれるリハビリテーション治療について、具体的なケーススタディや実演を交えて分かりやすく解説するとあり、アーカイブ版の配信も予定されている。

基礎をじっくり学べる実践的なセミナーについては、下記よりお申し込みが可能。




【書籍概要】

書名:脳卒中上肢機能検査マニュアル ARAT
監修:安保 雅博(東京慈恵会医科大学 リハビリテーション医学講座 主任教授)
編集:中山 恭秀(東京慈恵会医科大学 リハビリテーション医学講座 准教授)
 著:田口 健介(東京慈恵会医科大学附属柏病院 リハビリテーション科)
   大熊 諒 (東京慈恵会医科大学附属病院 リハビリテーション科)
   坂本 大悟(東京慈恵会医科大学附属病院 リハビリテーション科)
発行:2024年6月
判型:B5判 84頁
   ISBN 978-4-88002-129-4



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