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2024.10.21

介護経営の「協働化・大規模化」政策パッケージで推進【厚労省】

厚生労働省は、介護人材の確保や介護サービスの質の向上に繋げていくことを目的に「協働化・大規模化による介護経営の改善」に関する特設ページを開設し、活用を求める事務連絡を関係団体へ通知した。持続可能な介護保険制度の構築に向けて、介護施設・事業所における経営改善の取組を推進するため政策パッケージ等の周知を促している。

政策パッケージでは、介護事業所の経営改善の取組を推進するために、「経営課題への気づき」の支援、「協働化・大規模化等に向けた検討」の支援、「協働化・大規模化等の実施」段階、それぞれの支援策が示された。

厚生労働省は事例集を作成し、手続きや留意点の明確化、取組に対する財政支援など、各段階に即した対策を講じていくとしている。



2040年度に約280万人の介護職員が必要と見込まれるなか、将来にわたって必要な介護サービスを安心して受けられるよう、その担い手を確保することは重要な課題となっている。

そのような背景から、政府は介護施設・事業所において、「生産性向上の取組や経営の協働化・大規模化等を通じた職場環境改善を推進することにより、介護人材の確保や介護サービスの質の向上に繋げていく」としている。

また、「介護サービス事業者の生産性向上や協働化等を通じた職場環境改善事業」に対して令和5年度の補正予算を 351億円としており、国として本格的に支援していく姿勢を示している。




「経営課題への気づき」の段階

「経営課題への気づき」については、先行事例として「調査研究事業の【事例集】」、「社会福祉連携推進法人、小規模法人のネットワーク化による協働推進事業事例集」が掲載された。

事例集は、厚生労働省の調査研究事業として作成。介護ロボットやICTの導入に関する相談窓口や、経営に関する相談できる窓口なども示されている。




検討の段階をマニュアルで支援

「協働化・大規模化」を検討する段階を支援することを目的に、ガイドラインやマニュアルが解説ページで公開された。

認定申請には、一般社団法人の設立準備や定款の認証、必要書類の提出などが必要となる。認定を受けた後も、連携推進法人は定期的に報告や手続きを行う義務があり、資料の中では詳細な手続きが説明されている。

マニュアルでは、連携推進法人が担うべき業務として、地域福祉支援や災害時支援、経営支援、人材確保などが示されており、こうした業務を効率的に進めるために法人間の連携が重要であることが強調されている。


「協働化・大規模化等の実施」の段階

実行段階については、小規模法人のネットワーク化による協働推進事業、社会福祉連携推進法人の立ち上げに関する事業概要の資料が公開された。

小規模法人のネットワーク化を進めたいという要望に合わせて、複数の社会福祉法人等が参画するネットワークを構築し、地域貢献のための協働事業や人材確保の取組、ICT技術の導入等を行う場合に支援を受けられることを説明している。

また、他の想定される要望として、「社会福祉連携推進法人を立ち上げたい・職場環境改善を進めたい・合併に必要な融資を受けたい」などを挙げて、それぞれの事業スキームを提案している。




政府は補助金で事業を推進

「介護現場の生産性向上について」の資料では、協働化・大規模化による職場環境改善事業について対象経費や補助上限(1事業者グループあたり1200万円)についても示されている。

武見厚生労働大臣は、デジタル行財政改革会議(第7回)の場で「協働化・大規模化の必要性やその方策については厚生労働省から積極的に発信をしてまいります」と述べている。




引用・参考資料
▪️介護施設・事業所の協働化・大規模化(厚生労働省)
▪️厚生労働分野におけるデジタル行財政改革(厚生労働省)
▪️介護現場の生産性向上について(厚生労働省)
▪️令和6年度予算案の概要(厚生労働省 老健局)
▪️令和6年3月社会福祉推進事業「社会福祉連携推進法人制度の活用の促進に関する調査研究事業」(PwCコンサルティング合同会社)
▪️令和3年度老健事業「介護経営の大規模化・協働化に関する調査研究事業」(MS&ADインターリスク総研株式会社)

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