厚生労働省老健局は、災害時のリハビリテーション機能を維持することを目的に「JRAT体制整備事業(JRAT事務局)」を来年度の新規事業として、2025年度予算概算要求に盛り込んだ。
同事業では、厚生労働省の委託事業としてJRAT事務局を設置し、平時からの大規模災害に備えた専門的な研修、訓練の実施や地域リハビリテーション体制の構築・強化、災害発生時の全国からの派遣調整も含めたJRAT活動に関する支援、連絡調整等を行うとしており、概算要求額は3,900万円を計上した。
老健局は、概算要求に関する資料にて「令和6年の能登半島地震におけるリハビリテーション支援活動を通じて、避難所等への支援の強化等の課題が明らかになったため、日本災害リハビリテーション支援協会(JRAT)の体制を備し、その養成を行う必要がある」と、事業化の意義を示した。
事業の概要では、平常時における地域リハビリテーション体制の構築・強化や、災害等発生時における現地へのJRAT隊員の派遣など、事業に係る経費をJRAT事務局に対して交付するとしている。
内閣官房が運営する「行政事業レビュー見える化サイト」には、次年度の行政レビューシートとして「JRAT体制整備事業」が登録されている。同サイトでは、活動・成果目標等が記載されており、今後、事業の点検結果や改善の方向性などの評価が公開される見込み。
本年7月には、「防災基本計画」が修正され、医療活動の「被災地域外からの災害派遣医療チーム(DMAT)等の派遣」の項目に、「日本災害リハビリテーション支援協会(JRAT)」が明記されるなど、災害時におけるリハビリテーション対応への期待が高まっている。
引用・参考:
■ 令和7年度概算要求の概要(老健局)(厚生労働省HP)
参考資料
■ 行政事業レビュー見える化サイト「JRAT体制整備事業」(内閣官房行政改革推進本部事務局HP)
■ 防災基本計画[令和6年6月28日中央防災会議決定](内閣府HP)