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2024.08.28

【新設】理学療法士等による社員への運動指導「エイジフレンドリー補助金」で推進

厚生労働省は、令和6年度エイジフレンドリー補助金に、理学療法士等による体力チェックや運動指導を導入する中小企業を対象とした新たな補助制度「転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース」を新設した。

労働者の転倒や腰痛を防止するための専門家による運動指導など、労働者の健康保持増進を目的として、エイジフレンドリー補助金の利用を呼びかけている。




新設された「転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース」とは

「転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース」補助金は、労働者のパフォーマンスの低下が原因となる「転倒」や「腰痛」といった労働災害の防止を目指しており、100万円を上限に費用の3/4の補助率となっている。

同コースでは、医師、理学療法士、健康運動指導士、労働安全・衛生コンサルタント、アスレティックトレーナー等の専門家による運動プログラムに基づいた身体機能のチェック及び専門家等による運動指導等に要する費用を補助対象とすると明記されている。



対象事業者について、労働者の年齢制限はなく、労働者を1名以上雇用し、労災保険に加入して1年以上事業を行っている中小企業事業者であれば補助金の活用が可能となっている。

この新コースにより、多くの労働者が専門的な運動指導を受けることが可能となり、労働者自身の健康意識も向上することが予想される。このような新たな取り組みは、労働者の健康維持に寄与し、職場の安全性や生産性の向上にも役立てられることが期待されている。

令和5年度と同様に、引き続き「高年齢労働者向けの労働災害防止対策コース」と「コラボヘルスコース」も実施され、これらのコースの内容や補助率、上限額に変更はない。


エイジフレンドリー補助金を活用した優良企業例

厚生労働省は、近年増え続ける労働災害の解決に向けて、現場だけでなくステークホルダー全員で解決策を考えていくため、「SAFEコンソーシアム ポータルサイト」を立ち上げ活動事例などを紹介している。

同サイトでは、「アワード」と称して、職場における労働災害防止や安全・健康の増進のための取組事例を紹介。エイジフレンドリー部門や腰痛予防部門などの事例を表彰することで、優れた取組を進める職場の「見える化」を図り、企業や労働者によるさらなる取組を促進することを目的としている。





補助金申請は余裕をもって早めに提出を

厚生労働省は、補助金申請の流れを図示した上で、十分な時間の余裕を持って申請することをよびかけている。

下記の図で、黄色の部分は事業者が実施する部分で、緑色は事務センターが実施する部分となる。

補助金申請には、交付申請書類の提出から交付決定までに2ヶ月を要する。10月末に申請してしまうと、12月末に交付決定されるため、支払請求書類提出の期限が1月31日と余裕をもった準備が行えなくなってしまう。そのため、補助金申請の締め切り期限は10月31日であるが、交付申請書類提出は可能な限り早めに、余裕を持って申請を行うよう厚生労働省は呼びかけている。

エイジフレンドリー補助金の改正とQ&A

日本では深刻な人手不足が進行しており、2030年までに644万人の労働力が不足すると予測されている。その対策として、高齢者や女性の労働力活用が注目されている。こうした状況を背景に、高齢労働者の健康支援を目的としたエイジフレンドリー補助金が改正された。

同補助金の基盤には、労働災害防止計画があり、高年齢労働者の労働災害を減少させることを目指している。この目標を達成するためには、健康経営や従業員の運動機能評価が重要であり、補助金を活用して企業の価値向上を目指す取り組みが進められている。

厚生労働省は、エイジフレンドリー補助金に関するQ&Aを公開しており、企業が補助金を効果的に活用できるよう支援している。


エイジフレンドリー補助金のQ&A

「転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース」に関わる部分を一部抜粋

問 44 今回新設された、運動指導の対象はどのようなものでしょうか。
(答) 全ての労働者を対象とし「転倒防止」「腰痛予防」を目的としています。
転倒防止、腰痛予防に知見がある専門家等による運動指導プログラムに基づいた身体機能維持改善のための身体機能のチェック及び専門家等の運動指導等に要した費用が補助対象となります。また、専門家等の実技指導(指導概要を実施計画書に記載してください。)があるものが補助対象となり、転倒防止、腰痛予防以外の運動指導はこのコースの対象外となります。また、このコースでは運動器具など物品の購入はできませんのでご注意ください。


問 45 専門家等はどんな資格や職種が該当しますか。
(答) 次の資格や職種が該当します。
・医師
・健康運動指導士/健康運動実践指導者
・THP ヘルスケア・トレーナー/THP 運動指導担当者
・理学療法士・作業療法士
・柔道整復師
・あん摩マッサージ指圧師
・はり・きゅう師(一定の機能訓練指導の実務経験を有する者)
・転倒予防指導士(転倒予防の運動指導等に限る)
・アスレティックトレーナー
・労働安全・衛生コンサルタント 等


問 46 転倒防止や腰痛予防の運動指導プログラムとは、どのようなものですか。
(答) 「①専門家(専門家の監修も可)による労働者の身体機能のチェック」及び「②専門家による実技の運動指導(オンライン開催可)」です。

注)①または②の片方の取組しかない運動指導プログラムは補助対象となりません。
注)治療や施術は運動指導プログラムに該当しません。


問 47 労働者にジムの回数券や割引券を配布し、個人の裁量で運動を実施することや事業場にトレーニングマシーン等を設置することは補助対象となりますか。
(答) 福利厚生とみなされることから、補助対象となりません。


引用・参考文献
◾️リーフレット「エイジフレンドリー補助金」のご案内(厚生労働省HP)
◾️エイジフレンドリー補助金Q&A(厚生労働省HP)
◾️SAFEコンソーシアムHP
◾️労働市場の未来推計 2030(パーソル総合研究所HP)

関連タグ
労働衛生 補助金 運動指導
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