片麻痺の方が装具をつけたまま履けるサイズの靴や、片方の靴のみ購入できるオンラインショップ「parastep」が試験販売を開始しました。
「parastep」は、幼少期から片麻痺により靴の課題に直面してきた当事者の副田優海さんが立ち上げたサイトです。今回、副田さんに「parastep」を立ち上げた経緯や、今後の展望についてお話を伺いました。
副田さん 私は未熟児で生まれ、3歳までは歩くことができず、リハビリテーションを重ねながら小学6年生まで装具を着用して生活をしていました。思春期には友達と違う自分に恥ずかしさを覚え、装具を外して過ごしたこともあります。「友達と同じように好きな靴を履きたい」と強く思っていました。
現在は片麻痺による尖足
※1の症状がありますが、装具を外して歩けるようになりました。しかし、麻痺側はつま先で歩くため靴の消耗が激しく、麻痺側の靴のみを買い換えたいものの市場では片足販売はしておらず、履きたい靴が履けない悩みを今でも抱えています。
装具を着用していた小学生時代の写真
parastep立ち上げの経緯
副田さん 自身の経験を活かして身体障害により靴の課題に悩まれている方を助けたい、みんなと同じようにおしゃれな靴を履きたいという願いを叶えるために、左右異なるサイズや片足のみで靴を購入できるオンラインサイト「parastep」を立ち上げました。「parastep」では、2024年7月16日までの期間限定で試験販売を行っています。
私たちは、片麻痺当事者の方179名を対象にアンケート調査を行いました。その結果、「サイズ違いの靴を2足買う」と回答した方が30.7%で、「年間1〜2足を消耗している」方が41.9%いることがわかりました。
当事者の方が抱える靴の課題については、「好みのデザインがない」34.6%、「価格が高い」23.5%、「サイズがない」23.5%という結果になりました。回答者は40代以上の方が多く、好みの靴を自由に履けることを求めていることがわかりました。
このように当事者が抱える課題について、まずは「サイズ違いで選べる」ことと「片足のみの購入」ができることを実現し、今後は最も多かったデザインに関しても大手メーカーと連携し、parastepで販売できることを目指します。
parastepを困ってる人に届けるために、セラピストの声をお聴きしたい
副田さん 私は、障害や病気の有無にかかわらず、誰もが履きたい靴を履ける社会を実現したいと強い想いがあります。
これまでは片麻痺当事者の方の声に耳を傾けてきましたが、日頃から患者さんと関わるリハビリテーション専門職の方にも靴の課題やご意見を聴きたくアンケートを実施することにしました。
回答期日は7月16日までとなりますので、是非とも多くの皆さまのお声をお聞かせいただけたら嬉しいです。
ご協力のほど、宜しくお願いいたします。
※1 尖足とは足の変形の一種で、足の甲が伸び踵を床につけることが困難でありつま先で歩く状態。
サイト:parastep 公式サイト