日本老年医学会、日本老年歯科医学会、日本サルコペニア・フレイル学会の3学会は、高齢者の口腔機能の問題に焦点を当て、その予防と対策に関する知見を整理した「オーラルフレイルに関する3学会合同ステートメント」を発表した。
同ステートメントでは、オーラルフレイルの概念・定義の整理に加え、国民がセルフチェックとして利用可能な新たな評価法として「Oral frailty 5-item Checklist:OF-5」を紹介している。
「OF-5」は、「残存歯数の減少」「咀嚼困難感」「嚥下困難感」「口腔乾燥感」「滑舌低下(舌口唇運動機能の低下)」の5項⽬で構成されており、2項⽬以上に該当する場合にはオーラルフレイルに該当する。検査機器がなくてもセルフチェックが可能であり、多職種で評価可能である点が特徴となっている。
ステートメントでは、オーラルフレイルの啓発を目的とした、医療関係者・専門職向けと一般市民向けの2種類の概念図についても掲載された。
日本老年医学会のホームページでは、今後の展望として「『口腔に関するさまざまな機能の軽微な衰え』を、歯科医療専⾨職が中心となった多職種協働により対応することで、食べる、飲み込む、話すなどさまざまな『口の機能の障害』および身体的フレイル・社会的フレイル・サルコペニア・低栄養といった次のレベルの障害の発症や重症化を食い⽌めることにつなげたいと考えています。そのために、新たな概念図と5項⽬から構成される新たな評価法『OF-5』を⽤いて、早期段階であるオーラルフレイルの対策を、産学官⺠の連携により多様な場⾯で実施する予定です」と述べている。
引用・参考:
■ 大切なお知らせ オーラルフレイルに関する3学会合同ステートメント(日本老年医学会HP)
■ オーラルフレイルに関する3学会合同ステートメント(老年歯科医学)
■ 特設ページ「オーラルフレイルを知っていますか?」(日本老年歯科医学会HP)
■ 概念図(専門職向け)
■ 概念図(一般向け)