厚生労働省の検討会は27日、「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を取りまとめた。
今回の改訂では、子ども(18歳未満)、成人(18歳以上)、高齢者に分け、科学的根拠をもとにライフステージ別の身体活動・運動の推奨値について提示。
健康増進に向けて、成人は「歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上行うこと」が推奨事項として明記された。
本ガイドは、科学的根拠となる学術論文や日本人の現状値等を考慮して推奨事項が設定された。実際に取り組むにあたっては、「個人差(健康状態、体力レベルや身体機能等)を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組むことが必要」であることも付記されている。
ガイドでは、身体活動・運動に関する参考情報として「筋力トレーニング」や「慢性疾患を有する人の身体活動のポイント」、「身体活動による疾患等の発症予防・改善のメカニズム」等について科学的根拠等を用いて解説。どのように取り組むことが望ましいかQ&Aを交えて紹介している。
さらに、「働く人が職場で活動的に過ごすためのポイント(案)」では、職場で具体的にどのような対策を講じればよいか、行動科学の理論を用いて解説。理論的な背景を踏まえ、具体的な職場での取組事例が9つ紹介されている。
今回新たに推奨事項として追加された「筋力トレーニング」については、週2〜3日という頻度を推奨するにとどめられており、巻末には「今後は、個人差を踏まえた健康づくりのための筋力トレーニングの種類や強度についても科学的知見を蓄積する必要がある」との展望が記された。
引用:第3回健康づくりのための身体活動基準・指針の改訂に関する検討会(厚生労働省HP)