厚生労働省は、介護給付費分科会を11日に開催し「
令和6年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)」を公開した。
資料には、物価高騰や他業種の賃金引上げが進む中、介護分野において、人材不足が喫緊の課題として継続して処遇改善に取り組むこと、LIFEを活用した質の高い介護を進めていくことなどが記載された。
介護報酬改定に向けた基本的な視点(概要)については以下の通り。 介護報酬改定に向けた基本的な視点
①地域包括ケアシステムの深化・推進
○ 認知症の方や単身高齢者、医療ニーズが高い中重度の高齢者を含め、それぞれの住み慣れた地域において利用者の尊厳を保持しつつ、質の高いケアマネジメントや必要なサービスが切れ目なく提供されるよう、地域の実情に応じた柔軟かつ効率的な取組を推進
・医療・介護連携による医療ニーズの高い方や看取りへの対応
・感染症や災害への対応
・高齢者虐待防止等の取組
・認知症への対応
②自立支援・重度化防止に向けた対応
○ 高齢者の自立支援・重度化防止という制度の趣旨に沿い、多職種連携やデータの活用を推進
・リハビリテーション・口腔・栄養の一体的取組
・LIFEを活用した質の高い介護
③良質な介護サービスの確保に向けた働きやすい職場づくり
○ 介護人材不足の中で、更なる介護サービスの質の向上を図るため、処遇改善や生産性向上による職場環境の改善に向けた先進的な取組を推進
・介護ロボット・ICT等やいわゆる介護助手の活用によるサービスの質の向上と業務負担の軽減
・経営の協働化等や、テレワークなどの柔軟な働き方・サービス提供に関する取組
④制度の安定性・持続可能性の確保
○ 介護保険制度の安定性・持続可能性を高め、全ての世代にとって安心できる制度を構築
・評価の適正化・重点化
・報酬体系の整理・簡素化
自立支援・重症化防止に向けた対応については「質の高い、自立支援・重度化防止に資するサービスの提供を引き続き推進していくことが必要」との観点から、リハビリテーション・口腔・栄養の一体的取組をより一層推進していくことが明記された。
厚労省は改定にあたって、制度の安定性・持続性の確保としてサービス提供の実態を十分に踏まえながら、評価の適正化・重点化、報酬体系の整理・簡素化を進めていくことが必要であるとの考えを示している。
近年の物価高騰や全産業における賃金の引上げ、DX等の事業環境の変化への対応も求められることが触れられた今回の「基本的な視点(案)」。
厚生労働省は、今後の議論を踏まえて審議報告をまとめていく方針。
引用:第227回社会保障審議会介護給付費分科会(厚労省HP)
【資料2-1】令和6年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)概要
【資料2-2】令和6年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)
厚生労働省より公開された資料に合わせて、PT-OT-ST.NETの介護報酬改定特設サイトも情報掲載を進めています。制度改定に向けた準備にご活用ください。