厚生労働省は6日、中医協の
入院・外来医療等の調査・評価分科会にて、回復期リハビリテーション病棟について議論した。
今回は「第三者機能評価」「リハビリテーション・口腔・栄養」「退院時指導」「身体拘束」「地域貢献活動」に関して議論が進行した。主な議論の内容について以下に抜粋する。
「第三者機能評価」について
第三者評価の認定の無い病院と認定を受けている病院とで比較すると、認定の無い病院の方が運動FIMが低い傾向にあることが、資料にて提示。第三者機能評価の認定の義務化を含めて、適切な第三者機能評価のあり方に関する議論が交わされた。
第三者機能評価の認定を受けている病棟におけるFIMの推移やFIMの評価に関する取組の状況等を踏まえ、回復期リハビリテーションにおけるアウトカムの適切な評価を推進するためにどのような方策が考えられるか議論された。
「リハビリテーション・口腔・栄養の取り組みの推進」について
摂食嚥下について、嚥下機能の検査を実施している患者と実施していない患者とを比較すると、検査を実施している患者において経腸栄養の離脱割合が高いことが示された。
栄養管理については、回復期リハビリテーション病棟1では専任管理栄養士を配置しており、入院栄養食事指導料を対象となる患者に対して、約1割の病棟でほぼ全ての患者に算定していた。一方、約2割の病棟では全く算定していないことが報告された。
「退院前訪問指導」について
退院前訪問指導は再入院と転倒を減少させ、退院後のADLが向上するなどの効果が示されている。また、家屋調査を含むフローにより回復期リハビリテーション病棟からの円滑な退院支援を実施している事例もある。
一方、 回復期リハビリテーション病棟における退院前訪問指導実施割合として、全く実施していない医療機関が約40%存在するとの現状が資料にて示された。
これらを踏まえ、「リハビリテーション・口腔・栄養の取組や、退院前訪問指導の実施状況を踏まえ、より質の高い回復期リハビリテーションを推進する観点から、回復期リハビリテーション病棟入院料の評価の在り方についてどのように考えるか」との論点が示された。
「身体的拘束の実施」について
身体的拘束の実施については、身体的拘束の実施についてどのように考えるかが議論の俎上にあがり、下記の項目が示された。
- 急性期一般入院料や地域包括ケア病棟届出病棟と比較し、身体拘束の実施率が30%以上の病棟が多い。
- 身体拘束の実施理由としては「転棟・転落防止」が多く、急性期一般入院料や地域包括ケア病棟届出病棟と比較し、身体拘束の実施率が30%以上の病棟が多い。
- 身体拘束の実施理由としては「転棟・転落防止」が多い。
- 身体的拘束を実施している患者は、主傷病が脳梗塞や心原性脳塞栓症である者が多い
- 身体的拘束の実施有無に寄らず、1日あたりのリハビリテーションの実施単位数は変わらず約6単位提供されている。
「地域貢献活動」について
地域リハビリテーション活動支援事業は74.2%の市町村で実施されている。一方、総合事業へのリハビリ専門職については、地域リハ支援体制が整備されている市町村においては約半数であり、地域リハ支援体制がない市町村においては約9割が十分に確保できていないとの実態を報告。
今後、回復期リハビリテーション病棟を有する医療機関における地域貢献活動についてどのように考えるか議論された。
引用:
■ 令和5年度 第6回 入院・外来医療等の調査・評価分科会(厚生労働省HP)
■ 入-3(PDF) 回復期リハビリテーション病棟について(その1)