中央社会保険医療協議会・総会が8月30日に開催、2024年度の次期診療報酬改定に向けたこれまでの議論の整理・総括を行い、中間まとめが公表された。
中医協は、今までの議論の中で「地域包括ケア病棟に求められる役割やその評価のあり方、そして、回復期リハビリテーション病棟の評価のあり方についてどのように考えるか。」と、病棟評価の在り方に関する論点が注目されていた。
資料では、現状の課題や論点に加えて、これまでの議論で挙がった「主な意見」も記載されている。
今後、これまでの議論をベースに、個別に各事項について具体的な内容、点数、施設基準などに関する議論が進められる予定。
【主な意見】(一部抜粋)
4)入院について
(総論・急性期/高度急性期入院医療)
○ 急性期一般入院料においても65 歳以上の患者が相当数を占めており、また、要介護の患者やADLの低い患者がそれなりに入っている一方で、リハビリ専門職は回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟に多く配置されているため、救急医療機関からの必要な下り搬送を推進するとともに、急性期の高齢者を早期のリハビリが可能な地域包括ケア病棟等で受け止めることが望ましい。
(回復期入院医療)
○ 回復期リハビリテーション病棟においては、重症度の高い患者の受け入れの促進とともに、入退棟時のFIMの改善のみならず、退院後に在宅医療を受ける場合や施設に入所する場合において、ADLが維持されるような取組が重要。
○ 回復期リハビリテーション病棟におけるFIMの第三者評価の義務化も視野に入れつつ、実績に基づく評価を更に推進すべき。
5)在宅について
③訪問看護について
○ 訪問看護ステーションの規模について、効率性の観点からも、大規模化を引き続き推進する方向で検討を進めるべき。
⑥訪問栄養食事指導について
○ リハビリテーション・栄養・口腔が連携した取組は重要だが、在宅では特に不足している。口腔や栄養のスクリーニングをしてニーズを把握し、近隣の医療機関や老健等とも連携して貴重な人材が地域で活躍できる仕組みの検討が必要である。
7)歯科について
(かかりつけ歯科医や病院における歯科医療等、歯科医療機関の機能・役割について)
○ 回復期病院や慢性期病院において、口腔と栄養の管理が一体的に行われることは、誤嚥性肺炎や低栄養の予防の観点から重要であり、地域の歯科診療所との
連携も含め、リハ・口腔・栄養の一体的な取組を進めるべき。
9)個別事項について
(医療従事者の負担軽減等に対する評価)
○ 介護におけるロボット等の活用事例が紹介されているが、介護においても全体的に検証事例も少なく、まだまだエビデンスの構築に至っていないのが現実ではないか。医療の現場でロボット等を活用することは、現時点においては時期尚早であり、エビデンスの構築が必要ではないか。
引用:中央社会保険医療協議会 総会(第553回)議事次第(厚生労働省HP)
○令和6年度診療報酬改定に向けたこれまでの議論について
総-2(PDF)
厚生労働省より公開された資料に合わせて、PT-OT-ST.NETの診療報酬改定特設サイトも情報掲載を進めています。制度改定に向けた準備にご活用ください。