中央社会保険医療協議会(中医協)は2日、診療報酬改定の施行日を現行から2か月後ろ倒しの「6月1日」とすることを了承した。
新たに了承されたスケジュールでは、2月上旬に中医協答申、3月上旬に関係告示、3月下旬に電子点数表策定、6月1日に診療報酬改定、そして7月10日が初回請求となる。
これまで診療報酬改定から施行、初回請求までの期間が短く、「デスマーチ」などと表現されるほど医療機関やベンダーの業務が過酷であったことから、今回の2か月後ろ倒しの変更は大きな影響を持つと予想される。
施行時期の後ろ倒しの背景には、医療現場のデジタル化推進(診療報酬改定DX)がある。
政府の推進する診療報酬改定DXでは、共通算定モジュール等を実装した標準型レセコンや標準型電子カルテの提供により、医療機関等のシステムを抜本的に改革。医療機関等の間接コストを極小化することを目指している。24年度には各システム間の共通言語となるマスタやそれを活用した電子点数表の改善・提供が行われ、26年度には共通算定モジュールの本格的な提供が予定されている。
今回、診療報酬改定の施行日を後ろ倒しすることにより、医療機関やベンダーはより余裕をもって準備に取り組むことが可能となる。また、診療報酬改定DXの推進による効果が実際に医療機関に還元され、医療現場の負担軽減と業務効率化が期待される。
引用・参考:
中央社会保険医療協議会 総会(第551回)議事次第(厚生労働省HP)
○医療DXについて(その2)
厚生労働省より公開された資料に合わせて、PT-OT-ST.NETの診療報酬改定特設サイトも情報掲載を進めています。制度改定に向けた準備にご活用ください。