筋力トレーニングが美肌に貢献することを、立命館大らの研究チームが明らかにしたと発表した。
立命館大学スポーツ健康科学部の藤田聡教授らの研究チームは、ポーラ化成工業株式会社と共同し、40-50代の女性を対象とした運動介入で、有酸素性運動と筋力トレーニングの両方が皮膚の弾力性と真皮構造を改善させること、特に筋力トレーニングは真皮の厚みを増加させ、若々しい外見に貢献する可能性があることを世界で初めて明らかにしたと報告している。
プレスリリースでは、本研究発表のポイントして下記が述べられている。
■有酸素性運動と筋力トレ―ニング(レジスタンス運動)は、どちらも皮膚老化を改善
■特に、筋力トレ―ニングは加齢によって薄くなり見た目の若々しさに関連する真皮の厚み※1まで改善
■その機序として、運動による血中成分の変化と、それによる真皮の細胞外基質※2(ECM;Extracellular Matrix)の増加が関与していることを解明
著者らは、「本研究から、運動のメリットがまた 1つ明らかになりました。本研究成果をきっかけに運動をする人が増え、年齢を重ねても健康で美しく、彩りある人生を歩む人が一人でも多く増えることを願っています。」とコメントしている。
本研究成果は2023年6月23日に、米科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されており全文閲覧が可能。
■ 論文情報
論文名 : Resistance training rejuvenates aging skin by reducing circulating inflammatory factors and enhancing dermal extracellular matrices (レジスタンス運動は血中の炎症因子を減少させ真皮の細胞外基質を増加させることにより皮膚の老化を改善する)
著者 : Shu Nishikori1,2, Jun Yasuda1, Kao Murata1, Junya Takegaki1, Yasuko Harada2,Yuki Shirai2, Satoshi Fujita1
1 立命館大学 スポーツ健康科学部
2 ポーラ化成工業株式会社 フロンティアリサーチセンター
発表雑誌 : Scientific Reports
掲載日 : 2023年6月23日(金) 22時(日本時間)
D O I :
10.1038/s41598-023-37207-9U R L : https://www.nature.com/articles/s41598-023-37207-9
<用語説明>
※1 真皮の厚み:真皮の厚さは顔のシミ、シワ、たるみ、見た目の若々しさに関連する
※2 真皮の細胞外基質:コラーゲン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンなど
引用・参考:
筋力トレーニングが美肌に貢献することを世界で初めて報告 ~筋力トレーニングによる血中成分の変化が皮膚老化の改善に関与することを解明~(立命館大学HP)
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