認知症予防を目的に国立長寿医療研究センターが開発した、運動をしながら脳を使う「コグニサイズ」の方法をイラストを交えて紹介する書籍「コグニサイズ入門 楽しく取り組む認知症予防」が発刊した。
コグニサイズは、英語のcognition (認知) とexercise (運動) を組み合わせて、認知症予防を目的とした取り組みの総称として国立長寿医療研究センターが作り出した造語。
コグニサイズの目的は、運動で体の健康を促すと同時に、脳の活動を活発にする機会を増やし、認知症の発症を遅延させることにある。
実際のプログラムとして、ステップ台昇降を行いながら”しりとり”をする、引き算をしながらウォーキングなどが例として挙げられる。
コグニサイズの要となる「認知課題」と「運動の種類」の組み合わせは、発想次第でいくつでもレパートリーが作れる。皆で一緒にコグニサイズをすることで、試行錯誤しつつも、楽しみながら認知症予防につながることも醍醐味といえる。
同書では、個人で行うものから集団で行うコグニサイズまで、豊富なイラストにそって紹介。課題の種類も「基本ステップ」や「応用編」まで、さまざまなエッセンスを加えたプログラムが掲載されている。
認知症予防に関する最新研究や、コロナ禍での「集いの場」の工夫なども解説された同書を執筆した、国立長寿医療研究センターの島田裕之氏は「本書を活用いただき、認知症予防の取り組みを地域で展開できる方が増え、一人でも多くの高齢者が『長生きしてよかった』と思える社会作りの一助となることを願っています」と想いを寄せている。
【書籍概要】
書名:国立長寿医療研究センター開発 コグニサイズ入門 楽しく取り組む認知症予防
編集:島田 裕之 , 李 相侖
定価:1,980円(本体 1,800円+税10%)
総頁数:76頁 / カラー
判型:B5判
発行年月:2022年3月