日本リハビリテーション医学会は、4月13日に開催された新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードで、COVID-19患者に対するリハビリテーション医療の必要性を提言した。
同学会の副理事長である田島文博氏(和歌山県立医科大学リハビリテーション医学講座 教授)は自院の具体的な取り組みを交えながら、中等症・軽症コロナ病棟のリハビリテーション治療実績について
報告している。
和歌山県立医科大学リハビリテーション科では、全ての患者をリハビリテーション科医が診察し、必要と判断した場合にリハビリテーション治療を処方していると紹介。
感染対策の教育を十分に行った療法士を担当とし、リハビリテーション科医師の指示に基づく、可及的長時間高負荷の運動療法中心を実施していることを示した。
田島氏は報告の中で、リハビリテーション医療の提供体制に関するメッセージを伝えている。
また、同報告の中では、日本リハビリテーション医学会が発出した「
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する理事長声明」についても資料提出されている。
理事長声明では、特に高齢者や体の不自由な方がCOVID-19で入院した場合、不用意な安静や不必要な「活動」の低下により心身機能が低下し、自宅や元の施設に戻れなくなることがあると指摘。
COVID-19から回復した患者を受け入れる後方支援医療機関あるいは介護施設等でのリハビリテーション医療の継続とリハビリテーションマネジメントが疎かにされないよう、早期から適切なリハビリテーション治療の取り組みへの協力を求めている。
引用:
1)第80回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年4月13日)(厚生労働省HP)
2)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する理事長声明(日本リハビリテーション医学会HP)