保健所の負担軽減へ、日本理学療法士協会は会員に向けてIHEAT(保健所業務支援の人材バンク)への登録を呼びかけている。
昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、全国の保健所には大きな業務負担が発生している。
厚生労働省は、保健所機能を維持するための業務支援の人材バンクとしてIHEAT(Infectious diseases Health Emergency Assistance Team)を創設、運用を開始しているが、体制は充分とはいえない状況が続いている。
そこで、日本理学療法士協会は厚生労働省、IHEATを運営する日本公衆衛生協会と協議を実施。このIHEATシステムに協力すべく、同協会会員の希望者に対して登録できる体制を構築した。
それでは、実際に登録したらどのような支援業務を行うのか。その疑問に対して、日本理学療法士協会が作成した会員向けFAQには下記の通り記載されている。
Q1.どのような支援業務を行うのか。
A1.保健所業務支援に従事することとなります。
・従事いただく業務は自治体からの依頼内容をご確認いただく必要がありますが、想定される業務は厚生労働省健康局健康課長通知(令和3年5月 31 日発)に記載のとおり示されています。
「イ 支援協力者は保健所等において、以下の1~3の業務を支援する。
1 新型コロナウイルス感染症に係る積極的疫学調査
2 新型コロナウイルス感染症に係る積極的疫学調査以外の業務(電話相談等)
3 新型コロナウイルス感染症以外の感染症対応、精神保健、難病対策」
引用:本会会員に向けた IHEAT 一括登録に関する FAQより
同協会の佐々木常務理事は、今回のIHEAT一括登録の趣旨を動画で説明。厚生労働省の医系技官より、「JRATの活動において、各地で理学療法士の方はとても献身的で、この有事の時に協力いただけることは大変心強いし、ありがたい」と評価されたことなど、今回のIHEATの一括登録に至るまでの経緯について述べている。
現在もまだ保健所業務は逼迫しており、新型コロナウイルスについては第6波の懸念もある。
同協会は、「IHEATの趣旨をご確認いただき、ご賛同いただける理学療法士会員の皆様は、是非ともIHEAT(人材バンク)システムへの一括登録にご応募ください」と協力を呼びかけている。
IHEAT一括登録の趣旨説明(佐々木常務理事から会員の皆様へ)
IHEAT(感染症緊急支援チーム)とは
IHEATは、Infectious disease Health Emergency Assistance Team の略称。
IHEATは感染症が拡大した都道府県内において、当該都道府県内での応援職員だけでは対応が困難な場合に、人員不足を解決するための手段となる。 感染症等の災害に対して、保健所からIHEAT名簿に登録されている支援協力者へ協力依頼を行うなど、人材バンクとしての役割を担う(下図参照)。
引用:IHEAT(感染症緊急支援チーム)一括登録のご案内(日本理学療法士協会HP)