”障がい者スポーツにおけるメディカルスタッフの役割って何だろう?”
その疑問に応える一冊、「初めて携わるメディカルスタッフのための障がい者スポーツ」が発刊した。
同書は、障がいのレベルを把握するうえで重要となるクラス分けや階級について競技ごとに詳しく紹介。競技レベルの特性からレクリエーションの工夫まで、未経験の方でも理解が深まるようにイラストを交えながら解説している。
例えば「ボッチャ」については、障がい度合いに応じてBC1からBC4まで4クラスに区分されていることをご存知だろうか。
クラス分けは、スポーツに参加するすべての障がい者ができるだけ平等な条件のもとで競技を行えるようにする1つの手段となる。その評価方法は、競技にそれぞれ異なるが、徒手筋力検査、関節可動域評価、協調性評価、座位バランス評価など、セラピストの知識や技術が求められる分野といえる。
同書では、障がいが原因となる体調面での注意点や、競技中に発生しやすい外傷などについても解説。特有の姿勢での反復動作により生じる筋緊張への対処など、各競技特性に応じた実践的な予防的アプローチについて記載されている。
東京2020パラリンピックでも、数多くの障がい者スポーツ競技の熱戦が繰り広げられ、多くの感動を与えてくれた。その背景には、ケアやサポートとしてメディカルスタッフが担える役割は数多くあったことが同書からも伺える。
障がい者スポーツは競技レベルのみならず、レクリエーションとしても、障がいのあるなしに関わらず、喜びを分かち合いながら皆で共に楽しむことができ、心身の健康には大切な活動といえる。
障がい者スポーツに興味がある方には、実践に役立つ一冊である同書を是非手にとってみていただきたい。
【書籍概要】
書名:「初めて携わるメディカルスタッフのための障がい者スポーツ」
編集:青木 隆明
体裁:B5判 288ページ 2色 イラスト140点 写真200点
刊行:2021年8月2日