理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が集うリハビリ情報サイト
2021.06.10
【通所介護、(介護予防)通所リハビリテーション、地域密着型通所介護、(介護予防)認知症対応型通所介護、看護小規模多機能型居宅介護】
○ 栄養アセスメント加算について
問1 利用者が、複数の通所事業所等を利用している場合、栄養アセスメント加算の算定事業者はどのように判断するのか。
(答)
利用者が、複数の通所事業所等を利用している場合は、栄養アセスメントを行う事業所について、
・サービス担当者会議等で、利用者が利用している各種サービスと栄養状態との関連性や実施時間の実績、利用者又は家族の希望等も踏まえて検討した上で、
・介護支援専門員が事業所間の調整を行い、決定することとし、
原則として、当該事業所が継続的に栄養アセスメントを実施すること。
【居住系・施設系サービス共通、看護小規模多機能型居宅介護】
○ 科学的介護推進体制加算、自立支援促進加算、褥瘡マネジメント加算、排せつ支援加算について
問2 サービス利用中に入院等の事由により、一定期間サービス利用がなかった場合について、加算の要件である情報提出の取扱い如何。
(答)
・これらの加算については、算定要件として、サービスの利用を開始した日の属する月や、サービスの提供を終了する日の属する月の翌月10日までに、LIFEへの情報提出を行っていただくこととしている。
・当該サービスの再開や当該施設への再入所を前提とした、短期間の入院等による30日未満のサービス利用の中断については、当該中断の後、当該サービスの利用を再開した場合は、加算の算定要件であるサービス利用終了時やサービス利用開始時の情報提出は必要ないものとして差し支えない。
・一方、長期間の入院等により、30日以上、当該サービスの利用がない場合は、加算の算定要件であるサービス利用終了時の情報提出が必要であるとともに、その後、当該サービスの利用を再開した場合は、加算の算定要件であるサービス利用開始時の情報提出が必要となる。
※サービス利用開始時に情報提出が必要な加算:科学的介護推進体制加算、自立支援促進加算、褥瘡マネジメント加算、排せつ支援加算
※サービス利用終了時に情報提出が必要な加算:科学的介護推進体制加算
【通所系・居住系・施設系サービス共通】
○ 科学的介護推進体制加算について
問3 サービス利用中に利用者の死亡により、当該サービスの利用が終了した場合について、加算の要件である情報提出の取扱い如何。
(答)
当該利用者の死亡した月における情報を、サービス利用終了時の情報として提出する必要はあるが、死亡により、把握できない項目があった場合は、把握できた項目のみの提出でも差し支えない。
【介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院】
○自立支援促進加算について
問4 本加算の目的にある「入所者の尊厳の保持及び自立支援に係るケアの質の向上を図ること」とはどのような趣旨か。
(答)
・これまで、
-寝たきりや不活発等に伴う廃用性機能障害は、適切なケアを行うことにより、回復や重度化防止が期待できること
-中重度の要介護者においても、離床時間や座位保持時間が長い程、ADLが改善すること
等が示されており(※)さらに、日中の過ごし方を充実したものとすることで、本人の生きがいを支援し、生活の質を高めていくこと、さらには、機能障害があってもADLおよびIADLを高め、社会参加につなげていくことが重要である。
・介護保険は、尊厳を保持し、その有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう、必要なサービス提供することを目的とするものであり、本加算は、これらの取組を強化し行っている施設を評価することとし、多職種で連携し、「尊厳の保持」、「本人を尊重する個別ケア」、「寝たきり防止」、「自立生活の支援」等の観点から作成した支援計画に基づき、適切なケアを行うことを評価することとしたものである。
※第185回社会保障審議会介護給付費分科会資料123ページ等を参照
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000672514.pdf
問6 支援計画の実施(「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成12年3月8日老企第40号)第2の5(37)⑥a~f等に基づくものをいう。以下同じ。)にあたっては、原則として「寝たきりによる廃用性機能障害を防ぐために、離床、座位保持又は立ち上がりを計画的に支援する」こととされるが、具体的にはどのような取組が求められるのか。また、離床時間の目安はあるか。
(答)
・具体的には、廃用性機能障害は、基本的に回復が期待できるものであることを踏まえ、いわゆる「寝たきり」となることを防止する取組を実施するにあたり、計画的に行う離床等の支援を一定時間実施することを求めるものである。
・したがって、治療のための安静保持が必要であることやターミナルケア等を行っていることなど医学的な理由等により、やむを得ずベッド離床や座位保持を行うべきではない場合を除き、原則として、全ての入所者がベッド離床や座位保持を行っていることが必要である。
・なお、
-具体的な離床時間については、高齢者における離床時間と日常生活動作は有意に関連し、離床時間が少ない人ほど日常生活動作の自立度が低い傾向にある(※)とのデータ等もあることを参考に、一定の時間を確保すること
-本人の生きがいを支援し、生活の質を高めていく観点から、離床中行う内容を具体的に検討して取り組むこと
も重要である。
※第185回社会保障審議会介護給付費分科会資料123ページを参照
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000672514.pdf
問7 支援計画の実施にあたっては、原則として「食事の時間や嗜好等への対応について、画一的ではなく、個人の習慣や希望を尊重する」こととされるが、具体的にはどのような取組が求められるのか。
(答)
・具体的には、入所者が要介護状態となる以前の生活にどれだけ近づけるかという観点から、
-個人の習慣や希望を踏まえた食事の時間の設定
-慣れ親しんだ食器等の使用
-管理栄養士や調理員等の関係職種との連携による、個人の嗜好や見栄え等に配慮した食事の提供
など、入所者毎の習慣や希望に沿った個別対応を行うことを想定している。
・また、
-経管栄養といった医学的な理由等により、ベッド離床を行うべきではない場合を除き、ベッド上で食事をとる入所者がいないようすること
-入所者の体調や食欲等の本人の意向等に応じて、配膳・下膳の時間に配慮すること
といった取組を想定している。
・なお、衛生面に十分配慮のうえ、本人の状況を踏まえつつ、調理から喫食まで120分以内の範囲にできるように配膳することが望ましいが、結果的に喫食出来なかった場合に、レトルト食品の常備食を提供すること等も考えられること。
問8 支援計画の実施にあたっては、原則として「排せつは、入所者ごとの排せつリズムを考慮しつつ、プライバシーに配慮したトイレを使用すること」とされているが、具体的にはどのような取組が求められるのか。
(答)
・排せつは、プライバシーへの配慮等の観点から本来はトイレで行うものであり、要介護状態であっても、適切な介助により、トイレで排せつを行える場合も多いことから、多床室におけるポータブルトイレの使用は避けることが望ましい。
・このため、本加算は、日中の通常のケア(※)において、多床室でポータブルトイレを使用している利用者がいないことを想定している。
※通常のケアではないものとして、特定の入所者について、在宅復帰の際にポータブルトイレを使用するため、可能な限り多床室以外での訓練を実施した上で、本人や家族等も同意の上で、やむを得ず、プライバシー等にも十分に配慮して一時的にポータブルトイレを使用した訓練を実施する場合が想定される
・なお、「入所者ごとの排せつリズムを考慮」とは、
-トイレで排せつするためには、生理的な排便のタイミングや推定される膀胱内の残尿量の想定に基づき、入所者ごとの排せつリズムを考慮したケアを提供することが必要であり、全ての入所者について、個々の利用者の排せつケアに関連する情報等を把握し、支援計画を作成し定期的に見直すことや、
-入所者に対して、例えば、おむつ交換にあたって、排せつリズムや、本人のQOL、本人が希望する時間等に沿って実施するものであり、こうした入所者の希望等を踏まえず、夜間、定時に一斉に巡回してすべての入所者のおむつ交換を一律に実施するような対応が行われていないこと
を想定している。
問9 支援計画の実施にあたっては、原則として「入浴は、特別浴槽ではなく、一般浴槽での入浴とし、回数やケアの方法についても、個人の習慣や希望を尊重すること」とされるが、具体的にはどのような取組が求められるのか。
(答)
・尊厳の保持の観点から、すべての入所者が、特別浴槽でなく、個人浴槽等の一般浴槽で入浴していることが原則である。やむを得ず、特別浴槽(個人浴槽を除く。)を利用している入所者がいる場合についても、一般浴槽を利用する入所者と同様であるが、
-入浴時間を本人の希望を踏まえた時間に設定することや
-本人の希望に応じて、流れ作業のような集団ケアとしないため、例えば、マンツーマン入浴ケアのように、同一の職員が居室から浴室までの利用者の移動や、脱衣、洗身、着衣等の一連の行為に携わること
-脱衣所や浴室において、プライバシーの配慮に十分留意すること
等の個人の尊厳の保持をより重視したケアを行うことが必要である。
・また、自立支援の観点から、入所者の残存能力及び回復可能性のある能力に着目したケアを行うことが重要である。
・なお、重度の要介護者に対して職員1人で個浴介助を行う場合には技術の習得が必要であり、事業所において組織的に研修等を行う取組が重要である。なお、両側四肢麻痺等の重度の利用者に対する浴室での入浴ケアは2人以上の複数の職員で行うことを想定している。
問10 支援計画の実施にあたっては、原則として「生活全般において、入所者本人や家族と相談し、可能な限り自宅での生活と同様の暮らしを続けられるようにする」とされるが、具体的にはどのような取組を行うことが求められるのか。
(答)
・個々の入所者や家族の希望等を叶えるといった視点が重要であり、例えば、
-起床後着替えを行い、利用者や職員、家族や来訪者とコミュニケーションをとること
-趣味活動に興じることや、本人の希望に応じた外出をすること
等、本人の希望等を踏まえた、過ごし方に対する支援を行うことを求めるものである。
例えば、認知症の利用者においても、進行に応じて、その時点で出来る能力により社会参加することが本人の暮らしの支援につながると考えられる。
・なお、利用者の居室について、本人の愛着ある物(仏壇や家具、家族の写真等)を持ち込むことにより、本人の安心できる環境づくりを行うとの視点も重要であり、特に、認知症の利用者には有効な取組であると考えられる。
出典:令和3年度介護報酬改定について (厚生労働省HP)
この記事が気に入ったらいいね!しよう
人気記事
情報提供
皆様からリハビテーションに関する情報を広く募集しております。こちらよりお寄せください。
あなたは医療関係者ですか?