厚生労働省は、コロナ渦における介護予防・見守りの好事例を「介護保険最新情報」で紹介している。
特に高齢者は新型コロナウイルスに感染した場合は、重度化しやすいと言われ、不安が強い。住民主体の地域活動として行われてきた集団体操は密になりやすいと、各地では中止となっているなか、新型コロナウイルスの感染予防を両立させながらも、高齢者の見守りや介護予防への取り組み事例が注目されている。厚生労働省が好事例として紹介する内容を抜粋して掲載する。
事例1「手作りマスクを配布し高齢者の自宅を訪問し見守り強化へ」
三重県玉城町の取組では、民生委員が、手作りマスクや消費者被害防止に関するチラシを配布しながら、一人暮らし高齢者の家を訪問し、生活状況を把握。その後に、地域包括支援センターや社会福祉協議会などと情報を共有し、生活状況の確認や相談支援などに役立たせる取り組み。
事例2「電話での見守り、自宅でできる体操等の情報も提供」
栃木県さくら市の取組では、生活支援コーディネーターと認知症地域支援推進員が、一人暮らし高齢者宅に電話をかけ、生活状況の把握を行った。見守り電話では約1割が困りごとを抱えていることがわかり、別途支援が必要と考えられるケースは、地域包括支援センターにつなげるなどの対応を行う。また、自宅でできる体操等の情報提供も行う。
事例3「交流と体操を組み合わせたやすらぎビデオレター」
埼玉県ときがわ町の取り組みでは、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、定期的に開催していた「やすらぎの場」が中止。 「家でもできる健康体操」DVDを配布し活用される中で、「みんなの顔が見たい。寂しい。」といった声が挙がり、保健師が参加者宅に訪問し、感染症対策で取り組んでいることや、自宅で実践している運動などテーマを決めて1分程度話し撮影、やすらぎの場参加者のビデオメッセージを作成した。
参加者同士のつながりを感じ、孤立感の軽減を図り、運動意欲の向上につながった。
事例4「オンライン(ZOOM)を活用したつながりの継続へ
大阪市の「
ゆうゆうクラブ」は、高齢者が多く住むマンションで、住民数名で活動を立ち上げ、住民が集えるカフェや介護や医療の知識を学ぶための「在宅医療勉強会」等を開催、住民主体の取組を看護師、医師、大阪市都島区社会福祉協議会の生活支援コーディネーターが支援。
「Zoom勉強会」や「Zoomコロナ質問会」、「Zoomお茶会」等、オンラインを活用した取組も行っている。新しいことにチャレンジすることでモチ ベーションアップにもつながっている。
事例5「オンライン(ZOOM)を活用したつながりの継続へ
定期的に開催していた会場の利用が困難になり、公園での開催やオンラインでの取組など試行錯誤。ビデオ通話、電話(音声のみ)と会場参加を組み合わせたハイブリッド型通いの場を開催。
人に会うことへの不安や孤立感を解消し、高齢者のオンライン機器に対する苦手意識の克服にもつながっている。
最後に。
長引くコロナ渦で、密になって集まることが制限されるなかで、情報共有を図りながら高齢者の自宅を訪問するなどの見守り、また、電話やオンラインを活用をしながら、地域のつながりを継続させる取り組みは、地域の主体的な活動をベースに、どれもアイディア溢れるものが多かった。
参考・引用:WAM NET 介護保険最新情報