離床に役立つ検査値やデータを分かりやすく解説した一冊、「Q&Aとアウ値で学ぶ 検査・データがまるごとわかる本」を日本離床学会が発刊した。
同書では、各データの基準値のみならず、アウ値(※)、離床の留意点、データに関するQ&Aなどについて、イラストを用いながら解説。「検査データを臨床に活かすコツ」という制作側のコンセプトが各所から感じ取られる一冊となっている。
【補足】同書では、臨床的に危険な値を「アウト」と「値」をかけあわせ「アウ値」と呼んでいます。
検査値や画像データに基づいて、対象者をアセスメントすることは臨床現場で重要であり、特に離床を進める上ではリスク管理の観点からも知識が必須と言える。
また、実際に対象者に介入する上では、単一の検査結果を読み解くことにとどまらず、他のパラメーターや画像所見などとの関連を注意深くアセスメントして、治療や離床に結びつけることが重要となる。
今回発刊された同書では、日本離床学会が長年開催してきたセミナーで実際に出た質問をもとに、臨床ですぐに使える読み方のポイントを紹介。複数の検査値を関連付ける思考を身につけることができる。
検査・データがなかなか身につかず困っている、という全国の声に応えるかたちで、2年の歳月をかけて完成した同書。検査値やデータの読み方に苦手意識がある方、離床におけるポイントを押さえたい方にオススメしたい一冊となっている。
【書籍概要】
書名:Q&Aとアウ値で学ぶ 検査・データがまるごとわかる本
監修:日本離床学会
編著:曷川 元(医学博士・理学療法士)
黒田 智也(理学療法士)
発行:2020年11月30日
体裁:B5変/208頁(オールカラー)
価格:本体3,180円+税
【目次】
Introduction まずはコレ!検査・データをみる理由を理解しよう
第1章 わからないことがわかる!スッキリ理解できる血液検査
第2章 見逃しで失敗…非常に大切な検査―急変を事前に察知!尿検査・便検査・穿刺・採取液検査
第3章 レントゲン画像の「わかりません」を解決する異常所見のみかた
第4章 呼吸管理をマスターする!血液ガスデータと呼吸機器のパラメータのみかた
第5章 術後合併症を予防せよ!肺機能検査のみかた
第6章 血液循環検査のすべて!心臓・脳のみかた
第7章 モニター・機器が少なくてもOK!フィジカルアセスメントのみかた
第8章 活動を数値でみよう!ADLを高める運動機能のみかた