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2020.10.19

世界的な教科書「パワーズ運動生理学」日本語版が発刊

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世界各国で読まれている運動生理学の教科書 "Exercise Physiology" の日本語版となる、「パワーズ運動生理学 -体力と競技力向上のための理論と応用-」が9月に出版された。

実際に手に取って読んだ感想を一言で表すなら「運動生理学の辞書」である。

同書は、①「運動生理学の基礎」、②「フィットネス:健康・体力向上のための運動生理学」、③「パフォーマンス:競技向上のための運動生理学」の3セクションから構成。体力と競技力の向上のための理論について、基礎から実践までを1冊で引用文献などの情報を結びつけながら学ぶことができる。

また、心肺機能を評価するための運動テストをはじめとする運動生理学の数多くの臨床応用や、健康関連の体力あるいは運動パフォーマンスを改善するための運動トレーニングについても情報が整理されている。

臨床現場に従事する者としては、「研究の焦点」「専門家に聞く」「臨床への応用」など多彩なコラムが充実している点も魅力に感じる。

コラムについて例に挙げると、運動と骨の健康という項目では、「骨量を増加させて将来の骨粗鬆症による骨折のリスクを減らす運動プログラムの一般的な特徴はなんですか?」という質問に対し、専門家が研究結果を引用して説明。

その他にも、質疑応答形式で様々なトピックを取り上げている。


※画像クリックで拡大されます

知見を得る上で、研究論文等から最新の情報を得ることが重要なのはいうまでもない。その点、"Exercise Physiology" は1990年の原著初版刊行以来改訂を重ね、新しい研究成果を取り入れて各章の記述の更新と追加を行い、新しい図と最新の文献を加えている。今回出版された「パワーズ運動生理学」は最新版(第10版)の日本語版となっている。

基礎的な生理化学的な情報から、アスリートのパフォーマンスやコンディショニングに関わる応用的な情報まで幅広く網羅し、700ページとボリュームのある書籍「パワーズ運動生理学」。運動生理学について学びを深める上で "辞書" として活用をオススメできる1冊となっている。





【書籍概要】

書名:「パワーズ運動生理学 -体力と競技力向上のための理論と応用-」(翻訳書)
原書名:Exercise Physiology : Theory and application to fitness and performance, 10th Edition
日本語版監修:
 内藤久士  順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科長/教授
 柳谷登志雄 順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科先任准教授
 小林裕幸  筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター長/水戸協同病院総合診療科教授
 髙澤祐治  順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科教授
発行:2020年9月
体裁:A4変型判,700頁
価格:10,000円+税


 
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