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2020.09.23

【書籍】フレイル対策の指導ポイントを“見える化”!実践ガイド発刊

フレイル対策として、高齢者の機能レベルに合わせた運動指導を体系的にまとめた一冊、「フレイル対策実践ガイド」が新興医学出版社から発刊された。著者は筑波大学の山田実氏(人間系・教授)、監修は国立長寿医療研究センター理事長の荒井秀典氏。

厚生労働省は15日、全国の100歳以上の高齢者が初めて8万人を超えたと発表しており、 日本は世界一の長寿国として超高齢社会に突き進んでいる。

そのような背景の中、サルコペニアやフレイルへの対応は健康寿命の延伸につながる重要な対策に位置付けられ、運動の重要性はますます高まっている。

日本サルコペニア・フレイル学会は、2018年に「サルコペニア・フレイル指導士」資格を創設。高齢者が地域で自立して生活できる身体・環境づくりの推進に取り組んでいる。

フレイル高齢者への対策は、要介護や死亡への影響を減弱させるだけでなく、フレイルの前段階(プレフレイル)や健常な状態(ロバスト)へ改善させることが可能と考えられている。



同書では、可逆性こそがフレイルの大きな特徴であるとの観点から、「フレイル」から「プレフレイル」、そして「ロバスト」へと改善を図る上での運動指導ポイントを、それぞれのフェーズに分けて運動プログラムとして紹介。

どのような対象者に、どのような運動を、どのような点に留意しながら指導したらよいのかが、平易な言葉で解説されている。



近年、地域で住民が主体となって取り組む「通いの場」の拡充に対して、国は力を入れている。今年の3月には、" 通いの場等への関与等の業務に従事する医療専門職 " として、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が含まれることが明記された。

同書の序文に「専門家が各機能レベルの高齢者に対してどのような視点で各種運動の指導にあたっているのか、その方法について体系的にまとめた。」とあるように、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が関連職種へ説明、地域住民へ指導する際のツールとしても、運動のポイントが " 見える化 "された同書は活用しやすい。

山田氏は「運動指導には古くて新しく、簡単そうで難しく、伝わりそうで伝わらない、そんな奥行きがある。本書がそのような奥行きと向き合うきっかけになり、さまざまな場面で運動指導が実施されるようになり、多くの高齢者に運動が届けられる、そんな存在になることを期待したい。」と寄せている。



  サルコペニア・フレイル指導士とは

サルコペニア・フレイル指導士は、高齢者が地域で自立して生活できる健康寿命を延ばすために、サルコペニアやフレイルの評価に加えて、それぞれの専門性を活かした適切な評価を行い、他職種と連携しながら、運動や栄養、環境や習慣に指導(介入)計画を立案し、安全に実施していくことを目的としている。

サルコペニア・フレイル指導士テキストより)


【書籍概要】


「フレイル対策実践ガイド」高齢者の機能レベルに応じた運動プログラム
監修:荒井秀典(国立長寿医療研究センター理事長)
著者:山田実(筑波大学人間系 教授)
発行:2020年4月
   B5判、68ページ、2色刷り
本体価格:3,500円+税

日本サルコペニア・フレイル学会認定 サルコペニア・フレイル指導士テキスト
監修:日本サルコペニア・フレイル学会
編集:荒井秀典(国立長寿医療研究センター 理事長)
   佐竹昭介(国立長寿医療研究センター老年内科 医長)
発行:2020年4月
   B5判、144ページ、2色刷り
本体価格:3,800円+税


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