令和2年度診療報酬改定にて「運動量増加機器加算」が新設され、4月1日の施行より早くも3ヶ月が経過しようとしている。
この「運動量増加機器加算」は、リハビリテーション総合計画評価料の加算として月1回に限り150点が所定点数に加算が可能であることが、通則の中で示された。
また、3月5日に発出された、実施上の留意事項の中では、「当該機器の使用に有効性が認められ、継続すべき医学的必要性が認められる場合に限り、発症日から起算して2月を限度として月1回に限り算定できる。」ことが明示されている。
では、" 当該機器 "とは、どの機器が対象となるのか。この点については、
特定診療報酬算定医療機器の定義等についての中で、下記の通り定義されている。
厚生労働省は、令和元2年4月1日以降に新たに保険適用とする医療機器について通知を発出。特定診療報酬算定医療機器の区分として「運動量増加機器」に該当する製品について明示している。(令和2年3月31日 保医発0331第1号 通知は
こちら)
今回の「運動量増加機器加算」新設を受けて、医療機器を取り扱う企業各社は保険適用に関する情報を発信。帝人ファーマ株式会社は、脳卒中などによる上肢麻痺のリハビリテーションを目的とした、上肢用ロボット型運動訓練装置
ReoGo®-J が運動量増加機器として承認され、保険適用となったと発表した。
ReoGo®-Jは、3次元の動きを行うアームを活用してリーチ動作を実施。患者に求める随意運動に合わせて介助度を調整、難易度に応じてロボットがアシストを行いながら随意運動を引き出し、関節可動域や麻痺等の改善を図る。
ロボットを用いたトレーニングにより、運動麻痺の重症度や回復の過程に合わせたプログラム設定、練習の記録と結果の数値化、そして練習量の確保も期待される。
ReoGo®-J の製品紹介ページでは、日本で実施した多施設ランダム化比較試験の結果を紹介。療法士による訓練とReoGoを用いた訓練を併用した群では、療法士による訓練と通常の自主訓練の併用群に対し、運動機能の指標が有意に改善したという、臨床研究成果も発表されている。
「運動量増加機器加算」の創設により、療法士による1対1の介入とロボットリハビリテーションの融合が加速するのか。診療報酬上での取り扱いや対象機器の動向にも注目が集まる。
引用:上肢用ロボット型運動訓練装置 ReoGo®-J(帝人ファーマ株式会社HP)