2021年介護報酬改定議論がスタート、介護報酬改定に向けたスケジュール(案)が社会保障審議会にて提示された。秋には具体的な方向性の論点が提示され、年末に介護報酬改定向けて取りまとめが行われる予定となった。
前回の介護報酬改定におけるリハビリに関連する主な内容
前回の平成30年度介護報酬価改定では、質の高いリハビリテーション推進の観点からてアウトカム評価が充実されている。
具体的には、介護予防訪問リハビリテーションに、リハビリテーションマネージメント加算の要件として、データ収集事業に参加することが要件となった。また、介護予防訪問リハビリテーションに要支援状態の維持や改善率を評価する事業所評価加算が新設された。
特定施設入居者生活介護においては、外部のリハビリテーション専門職との連携が生活機能向上連携加算として加算が創設されるなど、様々なリハビリテーションにおけるアウトカム評価が充実されている。(詳細は
こちら)
参考:社保審-介護給付費分科会:令和2年3月16日
(リハビリテーションにおけるアウトカム評価の拡充)
次回の介護報酬改定における注目ポイントは?
前回の介護報酬改定にて通所・訪問リハビリの質の評価としてVISITが推進された。また、今後は、介護DBとVISITを補完するするデータベースとして、「CHASE」が2020年度から実働する予定だ。
これらのデータベースが一体的に稼働することにより、より詳細なアウトカム分析が可能となる。リハビリテーションにおいても、医療から介護へ、中長期的な視点でのアウトカム分析が可能となる。
リハビリテーションにおいては、重度化予防や再発予防等のアプローチに対するアウトカムが求められそうだ。
令和3年度介護報酬改定「地域主体、予防・自立支援」により舵が切られる。
令和3年度の介護報酬改定はどのような改定となるだろうか。
2020年度から後期高齢者を対象に行う健診でフレイルチェックが行われる。高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施は2024年度を目標に実施されることになっており、令和3年度介護報酬改定は、この一連の流れの中で、より予防や重度化予防、アウトカム評価に力が注がれると予想される。今後、改定に関わる論議が注目される。
引用:第176回社会保障審議会-介護給付費分科会 令和2年3月16日(厚生労働省HP)
この記事を書いた人
友清直樹
PT-OT-ST.NET代表
1998年に学生時代に立ち上げたホームページを運営し、現在、PT-OT-ST.NETの代表となっている。また、山王リハビリ・クリニックに18年間勤務し、在宅リハビリの現場に携わる。地域や予防の活動にも積極的に関わる。
厚生労働省より公開された資料に合わせて、PT-OT-ST.NETの介護報酬改定特設サイトも順次情報の更新を進めています。制度改定に向けた準備にご活用ください。