脳卒中学会の合同機関誌Journal of Stroke and Cerebrovascular Diseases(2010; オンライン版)に、西宮協立脳神経外科病院の小山哲男先生の「少子化・核家族化が脳卒中後の自宅復帰に対する影響について」の研究が掲載されました。研究では、居世帯人数が少ない場合や配偶者がない場合に、機能的自立度に加えそれぞれの自宅復帰率が有意に低下したことを確認したと報告されています。
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[循環器疾患版]Topics/少子化・核家族化が脳卒中後の自宅復帰に影響
研究報告をまとめた小山哲男(先生から以下のメールを頂きました。
「今回の論文は大発見でもなんでもなく、臨床家の常識です。それをあえて英文論文にして、医療系の報道に載せてみました。臨床家にとって当たり前のことでも、医療制度設計等での論拠とするには、ある程度体裁を整えた報告、論文が必要です。当方はいつも通り『当たり前』を数値にして検証しています。リハビリ業界はこんなデータの宝庫です。」
超高齢化社会が急速に進行していく中で、財源問題を抱える日本では、今後もさらに在院日数が短縮されていくであろうと予測されます。リハビリテーションは全人間的な関わりが重要であり、疾病のみならず障害の程度や家庭環境、年齢などの様々な要因を考慮した上で実施されるべきであることは言うまでもありません。しかし、近年の医療保険制度では、自宅復帰率という成果主義ノルマや在院日数ノルマが、個別のリハビリニーズに対する対応を難しくしている現状があります。特に障害がとても重い方、独居の方、復職や復学が必要な方に対する対応を難しくさせています。これからのリハビリテーションを考える中で、医療制度設計等での論拠となる「臨床現場での当たり前」を数値化し検証することがいかに重要であるかということ、そして、リハビリ業界はデータの宝庫であるということを、小山先生の実践やメールから学ばせて頂きました。
記:理学療法士 友清直樹(ともきよなおき)
謝辞:小山哲男先生に当サイトオリジナルの論文主旨をご提供頂きました。誠に有難うございます。先生の今後も益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
*小山哲男先生の特別講演があります。ご興味のある方はぜひご参加ください。
【FIM 等機能評価活用法研究会(FA 大会)】
【日時】:2011 年 1 月 30 日(日)9 時〜12 時(予定)
【内容】FIM の活用例の紹介など機能評価法に関連した演題発表
小山哲男先生による特別講演
『脳卒中患者の自宅復帰 機能的自立度と少子化、核家族化の影響 』
(詳細は
こちら)
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