NECは北原病院グループ(以下、KNI)協力のもと、AI技術を活用したリハビリテーション計画作成の技術実証を実施。リハ計画作成に関わる業務時間を約60%短縮できることを確認したと発表した。
今回の実証実験では、北原リハビリテーション病院に入院した脳卒中患者413名を対象に、経験5年以上のセラピストとAI技術がそれぞれ入院3日目ごろまでの電子カルテ情報を基にリハ計画を作成。「患者の回復度の予測」と「リハビリテーション目標の設定」の2点に着目し、セラピストとAI技術の比較検証を実施した。
AI技術には、KNIのベテランスタッフの思考プロセスをドメインナレッジとしてアルゴリズムに組み込んだNEC独自の技術が活用され、高い予測精度を実現。その結果、経験の浅いセラピストだけでも経験5年以上のセラピストと同程度の質のリハ目標設定を約10分で作成できるようになったとしている。(参照:
NECニュースリリース)
今回の実証実験に関して担当者は、「本取り組みにおいて注力している点は、経験依存になってしまっているリハビリテーション医療の質の底上げ。経験が少ないセラピストが使用して、実際に臨床的な判断の助けになるようなシステムにしたいと思っている。今後は、患者様に適した具体的な介入目標を短いスパンでAIが示唆できるようになることを目指している。」と展望を述べている。
リハビリテーションの質向上と業務効率化を目的とした今回の技術実証の他にも、転倒リスクの軽減、退院・転院先の予測等にAI技術を活用した検証を実施しているKNIとNEC。限られた財源と人材で患者の増加と多様化するニーズに対応するために、業務効率化と医療の質の向上を目的とした「デジタルホスピタル」の実現に向けて、取り組みを進めている。
引用:NEC、北原病院グループとともに、AI技術を活用したリハビリ計画作成に関する技術実証を実施(NECニュースリリース)