【研修会の目的】

　気管吸引は，医師法および保健師助産師看護師法により医師および看護師が行ってきました。2011年の法改正により，リハビリテーション職種である理学療法士（以下，PT），作業療法士（以下，OT），言語聴覚士（以下，OT）,臨床工学技士（以下,ME）にも気道吸引の行為が認められるようになりました。この背景には，医療の高度化と，チーム医療の推進，各専門職の役割拡大という社会的要請があったからです。
　PTでは体位排痰法など呼吸理学療法を実施する際，OTでは食事訓練を実施する際，STでは嚥下訓練等を実施する際など気道吸引を求められる場面が考えられます。また，MEでは手術後や集中治療室（ICU）などでの人工呼吸器を扱う上で，喀痰の吸引が必要となる場面があります。チーム医療の観点からも，それぞれの職種が気道吸引を実施できることは重要であり，近年推奨されてきています。
　ただし，気道吸引のガイドラインにも示されているように，気道吸引には知識，技術，リスク管理が必須条件となってきます。そこで，本研修会では気道吸引に関する，解剖学や評価などの基礎知識の学修から，吸引の実技の実践までを目的とします。


【内容・スケジュール】

　＜午前＞
　・吸引に必要な基礎知識
　・吸引に必要な評価

　＜午後＞
　・吸引の実技
　・排痰のための呼吸介助実技


【講師】
　森ノ宮医療大学 総合リハビリテーション学部 理学療法学科　教授／学科長
　森ノ宮医療大学大学院 保健医療学研究科　教授
　堀　竜次　先生