解剖学的知識をベースに触れれば怖くない！

【前腕・手関節の触診】

前腕・手関節領域の疾患は高齢者の4大骨折の１つである橈骨遠位端骨折に代表されるように日常診療においても比較的経験する機会が多いと思います。また、スポーツ傷害における部位別発生頻度の調査によると肩・肘関節の傷害よりも前腕・手関節の傷害が高い割合を占めることが分かっています。その反面、前腕・手関節疾患は、他疾患との鑑別が難しく、症状が軽微な場合も少なくないため、痛みの原因が不明確なまま漠然と治療されていることも多いのではないでしょうか。
本セミナーでは、前腕・手関節の痛みに関与する組織（筋、腱、神経）の解剖を徹底的に理解した上で触診の実技を行います。その解剖学的知識をもとにランドマークを明確にして触診をすることで、細かくて難しいイメージの前腕・手関節の見方や触れ方が変わると思います。また、臨床における理学所見の取り方なども紹介することで臨床のイメージを膨らませつつ、なぜ触れるのかという触診の意義も再考できればと思います。

触診する部位
・橈骨手根関節
・手根骨
・橈骨、尺骨茎状突起
・尺側手根屈筋
・深指屈筋
・尺骨神経（背側枝、深枝）
・腕橈骨筋、長、短橈側手根伸筋
・前腕伸筋腱（伸筋区画）
・橈骨神経（浅枝）
・円回内筋
・正中神経

※変更となる場合があります

【講師紹介】
【資格】
整形外科リハビリテーション学会　認定グレードB

【講演】
・肩の極. The 1st STEP Online seminar, 2020.
・CHLの匠：夜間痛は運動療法の適応か否か. 2nd STEP Online seminar, 2021.
・拘縮肩：下垂位外旋制限に対する運動療法の神髄.The 2nd NeuroMusculoskeletal Ultrasound Online Meeting of SMAP, 2021.
・機能解剖学に基づいた胸背部痛の評価について. 第11回SMAPセミナー, 2021.
・症例から学ぶ「末梢神経の評価と治療とエコー」.プラストレーナーズ主催オンラインセミナー, 2021.
・上腕三頭筋長頭周辺の組織弾性と肩関節可動域との関係. 第2回運動器理学療法超音波フォーラム, 2021.
・大学野球選手における腕神経叢の牽引刺激に伴う腋窩動脈の収縮期最大血流速度の変化について. 第3回運動器理学療法超音波フォーラム, 2022.
・末梢神経を基軸とした肘関節のエコーガイド下運動療法. 運動器機能解剖学研究所主催ナイトセミナー, 2022.

・上肢の末梢神経に対するアプローチに必要な確かな触診技術.プラストレーナーズ主催実技セミナー, 2023.

・胸郭出口症候群に対する当院の治療戦略とアプローチ−理学療法士が改善すべきポイントと医師との連携−, The 4th NeuroMusculoskeletal Ultrasound Online Meeting of SMAP, 2023.

・本当に効いている？外旋筋の腱板エクササイズ（評価編）,東京先進整形外科アカデミー　エッセンシャルコース, 2023
・本当に効いている？外旋筋の腱板エクササイズ（治療編）, 東京先進整形外科アカデミー　エッセンシャルコース, 2023

・肩周囲の痛みに対するリハビリエコーの活用術① 後下方のミカタ、攻め方, 東京先進整形外科アカデミー　エッセンシャルコース, 2024

・肩周囲の痛みに対するリハビリエコーの活用術② 腋窩神経障害を深掘り, 東京先進整形外科アカデミー　エッセンシャルコース, 2024


【執筆論文】
二村涼ほか：投球障害肩における肩甲骨位置異常とその発生および改善に関わる因子とは？：shear wave elastographyを用いた検討. 整形外科リハビリテーション学会学会誌, 20, 86-90, 2018.
二村涼ほか：小円筋と上腕三頭筋長頭の解剖学的連結に関する機能的意義について：shear wave elastographyを用いた検討. 日本整形外科超音波学会会誌, 30, 34-41, 2018.
二村涼ほか：投球障害肩における上腕三頭筋長頭周辺の組織弾性ならびに可動域との関係. 日本整形外科超音波学会会誌, 31, 50-56, 2019.
二村涼ほか：小円筋上部筋束ならびに下部筋束の伸張に伴う上腕三頭筋長頭の組織弾性変化について. 整形外科リハビリテーション学会学会誌, 21, 33-37, 2019.
二村涼ほか：尺骨神経背側枝を考慮した運動療法により症状消失に至ったTFCC損傷の一症例. 整形外科リハビリテーション学会学会誌, 22, 72-75, 2020.
二村涼ほか：前腕−手関節周囲のスポーツ外傷・障害に対する超音波を用いたアプローチ. 臨床スポーツ医学, 38, 1206-1210, 2021.
二村涼：上腕三頭筋長頭周辺の組織弾性と肩関節可動域との関係. 運動器理学療法超音波フロンティア, Vol.2, 2022.

二村涼ほか：肩関節内転に伴う烏口上腕靱帯の組織弾性変化の検討. 日本整形外科超音波学会会誌, 33, 18-22, 2022.

・二村涼ほか：肩甲切痕から棘下切痕部にかけて存在する脂肪組織の超音波解剖学的動態観察−肩関節回旋運動に着目して−.日本整形外科超音波学会会誌, 33, 18-22, 2024.

・二村涼ほか：胸郭出口症候群に対するエコーを活用したリハビリテーション.MB Orthop, 37, 75-83, 2024.

・二村涼：腕神経叢牽引刺激に伴う腋窩動脈血流速度変化の検討−臨床応用を交えて−. 理学療法超音波学 Vol,1, 138-151, 2024.

・二村涼ほか：側頸部、側胸部痛に対して長胸神経の走行を意識した神経周辺組織への理学療法が有効であった車椅子バスケットボール選手の1症例. PTジャーナル, 58, 723-726, 2024.