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■トイレ動作の問題は切実
排泄は極めて個人的で心理的にも敏感なものです。
それもあって、患者さん本人も介護する家族も「トイレ動作の自立」を願うケースが多いですよね。
1人でトイレに行って、用が足せる。これができると自宅生活も社会参加（外出）も大きく変わります。
「トイレ動作の自立」を希望されても、その制限を生む理由は複数考えられるため、その希望に簡単には答えられないのが現状ではないでしょうか。

また、どうなったら「自立」とするかは迷いが生まれます。人によって異なる「介助のポイント」を伝えるにしても、それに気づけていなければアドバイスのしようがありません。


■トイレ動作自立に向けて
排泄の自立を制限する理由を考える際に、次の情報は参考になると思います。
以下の資料は介護士へのアンケート調査をまとめたものです。
この情報から「立位保持」「下衣操作」にトイレ動作自立（または介助量軽減）のポイントがあるのではないか？と推察できます。

仮に排泄の自立を制限しているものが立位保持や下衣操作に関する内容であれば、リハビリの介入によって解決できる部分はあります。
しかし、それらの評価、介入ができなければ、家族に大きな介助を期待することになったり、おむつの使用を考えねばならなくなります。
それは望まれたゴールではありませんよね？


■注意してください！リハビリで解決できない場合があります
神経系由来の排泄困難の場合だと、リハビリでできることは限られます。

しかし、筋力低下、痛み、ROM制限などが原因だとしたらどうでしょう？
運動機能や道具の工夫で解決できる課題であればPT、OTが十分に介入できます。
トイレ動作の自立（または介助量軽減）のために、まず行うのはどんなことでしょう？
・立位保持に求められる身体機能
・下衣操作を行うためのバランス能力
これらを具体的に評価して、動作獲得のためのプログラムを進めることです。


■担当している患者さんのことを
想像してみてください。
「1人でトイレに行けるようになって本当に嬉しかった」
自分でできることが増えた患者さんは、感謝の気持ちを伝えてくれます。
その中でも「トイレに行ける」ことに対する態度は、他の基本動作獲得とは違っていました。
トイレ動作への介入でリハビリ効果を出せると、それくらい「生活の質（QOL）」を高められます。
リハビリ担当者として、それを学ぶことにどれだけの価値があるかは、わかっていただけると思います。


■どうすればトイレ動作の自立度を高められるのか？
そこで、この講座をご紹介します。
この講座では「立位保持」のための下肢機能と、「下衣操作」のための体幹機能についてを中心に、その評価から介入方法までを学びます。

受講すると、トイレ動作に結びつく機能解剖と動作獲得のための運動療法が具体的に身につきます。
回復期や在宅でのリハビリを担当する方に特におすすめです。


■講義内容の詳細
第1回：2024年12月2日（月）20:00〜21:00
「立位の安定性に必要な下肢機能とその評価と介入」
1.トイレ動作に必要な工程
2.立位保持に必要な股関節・膝関節の安定性と評価法
3.立位保持に必要な足部の安定性と評価法
4.動作獲得のためのスキーマ理論と練習法

第2回：2024年12月16日（月）20:00〜21:00
「下衣操作に必要な体幹機能とその評価と介入」
1.下衣操作のための体幹機能
2.コアユニットの機能と介入方法
3.体幹安定性向上のための訓練方法
4.座位・立位でのリーチングの訓練方法