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つくば糖尿病予防研究会・第7回秋の陣2024 マルチプル・コース
糖尿病理学療法と呼吸理学療法 ー急性期から在宅までの関わりに着目してー
講義紹介
■基礎講義①
「糖尿病患者における栄養管理」
筑波大学附属病院内分泌代謝・糖尿病内科 松田高明 先生
糖尿病患者は、非糖尿病患者と比較し、骨格筋量や筋力が低下しやすく、サルコペニアに罹患しやすい。サルコペニアを防ぐには、タンパク質の摂取量が重要とされている。日本糖尿病学会では総エネルギー量を定め、タンパク質は15-20%程度にするよう推奨しているが、実際は十分に摂取できていない可能性がある。当院内分泌代謝・糖尿病内科では、高齢2型糖尿病患者を対象にアミノ酸補充を行う介入研究を実施した。今回はその研究結果を紹介しながら、糖尿病患者の栄養管理について考えたい。
■基礎講義②
「慢性期の呼吸理学療法」
城西国際大学健康科学研究科 山根主信 先生
外来や訪問で行う呼吸理学療法を実施している施設は多くない。しかし、急性期・回復期を過ぎて慢性期の管理を行う症例や、増悪予防のために介入が必要な症例など、慢性期の呼吸理学療法を必要としている症例は多い。本講義では、実際の症例報告を交えながら、慢性期の呼吸理学療法の進め方について解説する。
■ランチョンセミナー
「急性呼吸不全に対する呼吸理学療法」
筑波大学附属病院リハビリテーション部 椿拓海 先生
呼吸による酸素の取り込みが障害され、様々な組織や臓器に悪影響を与える病態は呼吸不全と定義される。中でも、短期間で急速に発症した場合は急性呼吸不全と呼ばれ、生命維持のため早急な対応が求められる。本セミナーでは、呼吸不全の基本的な概要について確認するとともに、急性期の呼吸理学療法について、当院での実際の症例を交えながら説明する。
■特別講義①
「糖尿病患者指導から生まれた”遠隔運動モニタリング@システム”」
筑波大学システム情報系 鈴木康裕 先生
糖尿病患者を対象としたフレイル対策としてレジスタンス運動が重要であることは周知の事実だが、在宅でも行えるシステムは確立されていない。そこで我々は遠隔管理式トレーニングシステムである「スクバラ®」を考案した。スクバラ®は、スロースクワットとバランストレーニングの2種類の運動を組み合わせた複合プログラムである。本講習会では、スクバラ®を用いた3つの臨床研究の結果(2型糖尿病入院患者など)を紹介する。また本システムは地域で広く普及させることを目的に無料開示されているため、どの施設でも自由に使うことができる。本システムの操作方法などについても説明を行う。
■特別講義②
「急性期呼吸理学療法の「これまで」と「これから」」
市立函館病院リハビリ技術部 山下康次 先生
私は急性期呼吸理学療法に関わりはじめた頃、理学療法学に「人工呼吸等が装着されているという理由で、患者に安静臥床を強いることは、日常的な身体と肺の活動性を抑制し、肺を非日常的で非生理的な状態に陥らせることになる」という一節を見つけたことがある。今から30余年前のお話である。急性期呼吸理学療法は、当時から人工呼吸器を装着した患者の活動を支援する手段として発展し今では離床を中心とした標準的な医療として受け入れられたと考えている。さて、この急性期呼吸理学療法について今後はどのような方向に進んでいくのだろうか。本講義では、急性期呼吸理学療法の変遷と「これから」についてお話しする。
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