国際医療福祉大学大学院教授の山本澄子教授は、ゲイト・ソリューション装具で平成23年度文部科学大臣表彰の科学技術賞(開発部門)を受賞。義肢装具で文部科学大臣から表彰を受けるのは初めての快挙。
ゲイト・ソリューションは装具の足首部分に組み込んだ油圧ダンパーによって、足首を動かしながら動きを補助する機能を実現したもの。開発は、エンジニア、義肢装具士、理学療法士、作業療法士、デザイナーなどの力を集めて行われた。
山本澄子教授等は20年以上前から、三次元動作分析装置を使用して片麻痺の方の歩行計測を行い、装具に必要な機能について検討し、その集大成としてゲイト・ソリューションが誕生した。
さらに、デザイン性にも拘りデザイナーにも開発チームに参加させた。ゲイト・ソリューションはグットデザイン賞も受賞している。
現在では全国で1万人以上の方がこの装具を利用している。 山本澄子教授は日本だけでなく海外にもゲイト・ソリューションの普及を進めたいと熱意を語っている。
また、どんなに機能性に優れた装具でも単に付ければ良いということではない、ゲイト・ソリューションも理学療法士等がその機能性や患者の身体機能を理解して適切なリハビリを行うことで装具の機能が発揮出来ると言う。山本澄子教授の理学療法士等に対する期待は高い。
リハビリの一助になればと歩行分析に関する書籍や、年間に数多くのセミナーを開催している。山本澄子教授のセミナーは非常に解りやすく明日にでも臨床に応用できるセミナー。是非機会があれば参加することを勧めたい。
記:理学療法士 友清直樹(ともきよなおき)